年上の夫は経済的に安定しているし、気分にもムラがない。一緒にいて楽なので、夫婦仲は良好だ。しかし、夫は酒も飲めず、性的にも淡泊なのでセックスがなくても平気なタイプ。その反動で、ワカナさんは酒好き、話し上手で、ちょっと自己中心的でセックスが上手な男性に惹かれるという。

「Aさんとは学生時代からの友人でずっとセフレみたいな関係。会うのは月に1回くらいですが、付き合いが長いので、セックスがマンネリなのが不満。なので、半年から1年スパンで新しい彼氏をつくって、月に数回のペースで会う生活をしています」

 とはいえ、夫にバレることは本意ではない。家族として愛しているし、自分の性欲がなくなれば、このトリプル不倫生活も終わると思っているからだ。

「そうしたら、夫と2人でのんびりと老後を過ごしたいです」

 離婚問題に詳しい行政書士の露木幸彦さんは、さまざまな夫婦を見てきた。通常では生まれるはずのない血液型の子どもが生まれた、セックスレスなのに妻が妊娠した、第3子だけ妻の不倫相手の子だったが、妻が「クリスチャンだから産む!」と強行して離婚に至った……。そんな男女を見ると、露木さんは「白黒つけなくてもいいのでは」と感じるという。

「DNA鑑定もそうですが、子どものためというよりも、『自分に恥をかかせた相手が許せない』『非を認めさせたい』という自尊心が動機になっていることが多い。白黒つけて幸せになる夫婦はいないのが現実です」

(文中カタカナ名は仮名)

AERA 2015年12月7日号より抜粋