田中:宮内さんみたいに「俺、仕事やめて主夫になる」と言うと、妻は「いや待って」、「百歩譲ってパートでいい?」「いやダメ待って」となる。男はフルタイム労働に従事するというハシゴが外れていないんです。イクメンというからには、稼ぐのは大前提。さらに料理はママ並み、育児も完璧。しんどいです。

安藤:そこは宮内さんが壁を破ったのでは?

宮内崇敏(専業主夫ブロガー):僕は専業主夫で、平日は終電帰りの妻が全然イクウィメンじゃない(笑)。2人の娘の面倒はほぼ僕がみています。最近はこの生活が当たり前に回っているので悩みもストレスもない。ただ、6年前に肩書を失ったとき、ストレスを感じました。大手企業に勤めていましたが、人間関係や過労が原因で体調を崩し、妻と話し合って主夫になった。女性にはよくあるケースですが、男というだけで勝手にストレスを感じたのです。それは自分の中にあった「男らしさ」と違うことをやっているからだと気づいた。

AERA  2014年9月1日号より抜粋