「どの業界でも正社員は、マネジメント層としてチームをまとめて成果を上げる能力を求められる。そのためにコミュニケーション能力と地頭のよさは必須。単純労働は非正規社員に任せたりアウトソーシングしたりすることが多いので、ただただ真面目とか勢いがあるというだけの人材では、必要とされないケースが増えてきました」

 年収の高いビジネスパーソンの親が、子どもに行かせたい大学のランキングでは、慶應義塾大学が東大を抑えてトップになった。ビズリーチの執行役員、佐藤和男さんが分析しているように、慶大生には「コミュニケーション力が高そう」というイメージがあるという。さらに、受験科目の多い東大に比べ、慶大は文系なら基本3科目で入学することができて就職もいい、とコストパフォーマンスも高い。

 大学以前にさかのぼって「学歴」を見ることもある。

「企業がほしいのは、学歴より学力。大学名は立派でも、AO入試や小中からのエスカレーター式で入学していて勉強していない学生もいる。大学名だけでなく、高校名や大学の入学方法まで見ようとしている企業もあります」(小寺さん)

AERA 2014年6月16日号より抜粋