そんな長女が「今まで集中力と勉強量が全然足りなかった!」と急に勉強しだしたのは、高校3年生のとき。突然のやる気モードを応援したくても、当時、堀内さんはフルタイム勤務の事務主任。ちらかった部屋を娘の代わりに掃除してあげる時間もなかった。窮余の策で参考書に占領された勉強机の代わりに、リビングを明け渡し、勉強スペースを確保した。

「結局、一人で勉強して合格した。親に寄りかからない娘に育ってくれました」

 兄妹で異なる子育てをした人もいる。同世田谷区に住むパート勤務の女性(56)は、第1子が手のかかりすぎる男子、そして第2子はなんでも自分でやる女子。結果、長男は東大理IIに現役合格、長女は1浪して東大理IIIに合格した。

 長男の中学受験では、スケジュール管理からテキスト読み、答え合わせなど、手取り足取り。仕事から帰った後に疲労困憊しながらも塾の勉強までフォローした。大学受験時も兄には勉強面まで指導して、合格に導いた。

 兄に手がかかりすぎたためか、妹のほうは「気がついたら大きくなっていた」。特に何かしたという記憶はほとんどない。

「逆に、浪人のときの第1志望に口出ししなかったことがありがたかったと、娘に後で言われました(笑)」

AERA 2014年3月10日号より抜粋