「大きなプロジェクトは絶対にトラブルが起きる。その対応で毎日終電帰りの生活をしたいかというと、私はしたくない」

 ナナロク女子は、キャリアを優先するために何かを切り捨てざるを得なかった均等法世代のバリキャリ女性たちとの溝をどう埋めたらいいのか。働き方のコンサルティングをする「ワーク・ライフバランス」社長の小室淑恵さんは言う。

子育て派もバリキャリ派もお互い分かり合えないと思い込み、溝がある。バリキャリ派はいかに仕事が完璧かを披露し、子育て派はいかに子育てが大変かを主張して、職場でさらに溝が深まっている。日頃から溝を埋めようとする努力が必要です」

 ナナロク女子はバリキャリ先輩と「ワーク」の話ばかりでなく、ファッションや休日の旅行など「ライフ」の話題を共有し、「ステキですね」と声をかけ、懐に飛び込むことも大事、と小室さん。

 管理職になって、長時間労働や出世争いは当然といった、従来型の価値観を持つ男性と争うことにも気後れするナナロク女子は多い。

 ネットサービス会社のEさん(38)は32歳の時、社内で女性初の管理職に登用された。同じポジションの約30人の男性たちは出世争いで牽制し合っているが、「その土俵に私は乗りませんから」と一歩引いた姿勢を保ってきた。仕事で勝ちたいと思う場面では勝ちにいくが、単なる肩書で嫉妬を買いたくない。残業もせず、午後7時にはスパッと帰る。

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