就職活動で打ちのめされた経験が多い「ナナロク女子」。管理職登用のチャンスが巡ってきたが、積極的に踏み出すかどうか迷う人が多い(撮影/写真部・東川哲也)
就職活動で打ちのめされた経験が多い「ナナロク女子」。管理職登用のチャンスが巡ってきたが、積極的に踏み出すかどうか迷う人が多い(撮影/写真部・東川哲也)

1976年前後に生まれた「ナナロク女子」たちが30代後半になり、管理職の担い手になってきた。不況世代で自信過小。
どうしたらキャリアアップに踏み出せるのか。
(編集部 木村恵子、小林明子)

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●私に務まるか自信がない●

 1976年生まれ。99年に金融機関に一般職として入社したAさん(37)は、同期の女性たちとランチをするとき、よくこんな話題になる。

「急に管理職を目指せだなんて言われても、そんな育てられ方してないもんね」

 この会社は女性活用を前面に掲げ、政府と同じく「2020年までに管理職の女性比率3割」を目標にする。女性を集めたセミナーなども頻繁に開かれ、一般職として入社した女性たちも、転勤はないものの管理職へ登用される「地域限定型社員」に切り替わるという制度改正が数年前にあった。キャリアアップのチャンスが広がったはずだが、社内の女性たちの反応は必ずしも“歓迎”ではない。

 Aさんは就職氷河期のまっただ中に就職活動をした。総合職で働きたいと100社以上から資料を取り寄せ、エントリーしたが玉砕。例年に比べて極端に募集枠が少ない企業もあり、大学の同級生でも「大手企業で総合職」の夢をかなえた女性は少なかった。

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