ロンドン五輪でも活躍した女子サッカーの澤穂希選手が、お母さんのように慕う女優の仁科亜季子さんと対談。アスリートとしての日々の生活、体のメンテナンスなどについて話した。

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仁科:今は神戸でひとり暮らしということですが、食事はどうされていますか。

澤:基本的には3食自炊です。お弁当も作っています。お昼は、練習が終わった後に食べるおにぎりとか簡単なものですけれど。父が調理師の免許を持っているし、小さい頃から料理に興味があって。2000年から03年までアメリカのプロリーグ(WUSA)に所属していたんですが、現地では肉類や油っぽいものが多くて。食事が偏るのが嫌で、日本食の食材を買って自分で作ろう、と。その頃からですね、自炊生活へシフトしていったのは。

仁科:でも、練習でくたくたになった後、自炊は大変でしょう?

澤:料理がストレス解消になっています。余っている食材を生かすために、料理サイトのクックパッドで調べて、今日は何にしようかなって考えて。食材は近所のスーパーで買っています。去年までは家計簿もつけていたんですが、神戸に住んでいたら、食費は月3万円で全然いけます(笑)。

──体のメンテナンスは、毎日どんなふうにされていますか。

澤:朝は基礎体温を測るところから。もう13年くらい続けています。バイオリズムを把握しておくことで、試合に備えることもできますし。排卵日前後には筋肉や靱帯がゆるみやすくなりケガが多いと、チームのトレーナーに聞きました。

仁科:澤さんは、婦人科のかかりつけ医がいらっしゃるそうですね?

澤:はい。その先生のところで、子宮がんの検診を毎年1回必ず受けています。シーズンが終わった年末に決めているので、また12月も受けますよ。乳がん検診とセットで。

仁科:エライ!(拍手)

──検診のきっかけは?

澤:20歳を過ぎた頃、たまに強い生理痛があって、診てもらったほうがいいかなと。でも、婦人科に行くだけで何となく恥ずかしくて、最初は母親についてきてもらいました。そこで検診もしておきましょうとなって、それからは毎年です。2回目からは、親しい友達を引っ張ってきて、「いっしょに受けよ」って。

仁科:女性の模範みたいな方ですね。

澤:恥ずかしいといっても一瞬だけですし、将来的には子どももほしいので。友達にもすごく感謝されました。やっぱり、ひとりでは行く勇気がなかったみたいで。

AERA 2012年12月3日号