歩けば歩くほど健康に良いだろうと、毎日1万歩を目標にウォーキングをしているという方。そのウォーキングがもし誤った認識で行われているものだとしたら、健康に良いどころか、かえって不健康へと導いてしまう可能性があります。



 仕事で毎日1万歩歩いているのに骨粗しょう症になってしまったり、トライアスロンが趣味であるにも関わらず動脈硬化になってしまったり、犬の散歩を日課としている人がうつ病になってしまったりと、誤った認識で行うウォーキングは、ときとして病気をもたらしてしまうこともあるのだといいます。



 ではどのようにウォーキングを行えば、健康に良いのでしょうか。本書『やってはいけないウォーキング』が提唱するのは、"1日24時間の歩数=8000歩"と"中強度の運動を行う時間=20分"を組み合わせた"8000歩/20分"を指標とするウォーキング。1日8000歩の活動のうち、中強度の運動、つまり"なんとか会話ができる程度の速歩き"を20分行うことが、健康長寿を実現する黄金律なのだといいます。



 そもそも、なぜウォーキングを行うと健康に良いのかというと、体温を理想的にできるから。



 一般的に人間の平均体温は成長するにつれ少しずつ下がり、10歳前後で一定の値に落ち着くそう。しかし高齢になると再び低下。体温が下がってしまうと、免疫力が低下し病気にかかりやすくなってしまうといいます。実際、平均体温が1℃上がると免疫力は約60%アップ、1℃下がると30〜40%低下してしまうそうです。

次のページ