和田 「私も意外と度胸があるんです」

 聞かれてもいないのに、自分の度胸話をする。

和田 「私は20歳のとき、音楽評論家の湯川れい子さんの事務所でいきなり働き始めたの。湯川さんの番組にハガキを送りまくるハガキ職人で」

小泉 「昔はさ、そういう風に若い人に門戸を開いてくれたよね。こないだ出会ったミュージシャンを目指す大学生がね、古い時代の音楽が好きで、そういう話を大人としたいと思って、面識ないけど細野晴臣さんに会いに行ったんだって。そしたらドアを開けて招き入れていろんな話を聞かせてもらったって言ってたの」

和田 「すごい」

小泉 「私もそうありたい。大勢は無理でも若いファンの子とか困っていたら、『一線超えるよ』って言って手を貸す。一線超えるってのはファンじゃなくなるから、心しろよってことで」

■選挙ポスターポーズのナゾ

 テレビ画面の向こうに見る今日子さんには、若いときから姉御肌みたいなものを感じてきた。私たちの勝手な夢や期待も引き受けてくれるような。それが今、リアルでも引き受ける側に立っていることに頷いていると、既に撮り終えていた私の写真が完成した。見て、みんなでドッと笑う。ちょうど統一地方選挙が始まる頃だった。ガッツポーズをして撮った一枚を、選挙ポスター風に加工してくれている。「神奈川の即戦力」ってのは、「バナナにあわびの人なら、私だっていいかも?」と笑っていたからだ。いや、笑いごっちゃない。

浜田 「選挙ポスターって、なんでコレ(ガッツポーズ)するんだろう?」

和田 「エイエイオーってのもやるけど、イヤだ」

小泉 「無表情でやる人たち、参院選で見た」

和田 「着ている服も、みんな同じようだったり」

浜田 「あのヒョウ柄の人(大阪府知事候補だった谷口真由美さん)が逆に珍しいぐらいだよね」

 選挙のナゾを語り合い、続いて真理子さんが撮影をする。白いワンピースがとても似合い、カメラマンの武田さんが「素敵な笑顔です!」ともり立てる脇で私たちは「いいね~!」を連発する。

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