アルコールの分解時にはビタミンB1が消費されてしまうというから、飲みすぎには要注意だ。

 一方で、脚気で亡くなる人が多かった江戸時代、浮世絵師の葛飾北斎は90歳まで長生きした。その一因として、ビタミンB1を多く含むそばが好きだったことが影響した可能性があるという。「そばは動脈硬化を防ぐ効果があるとされるルチンも多く含みます」(同)

 古くから「万病の薬」と呼ばれてきた緑茶に改めて注目しているのは、肝臓病を専門とする栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長だ。

栗原毅さん
栗原毅さん

「緑茶に含まれるポリフェノールの一種、『茶カテキン』は糖質の吸収を緩やかにしたり、中性脂肪の合成や血糖値の急上昇を抑えたりする働きがあると考えられています。茶カテキンには、抗がん作用があるという研究結果も報告されている。さらに緑茶に含まれる『テアニン』にはリラックス効果があり、疲労回復や安眠を促す効果も期待されます」

 その効果は、お茶を飲むだけでなく、茶葉や茶殻をそのまま食べると一段と高まるという。

「飲むだけでは、緑茶の葉に含まれる健康成分のうち3割程度しか摂取できません。それでも十分な健康効果を発揮しますが、残り7割はお湯や水に溶けないので捨てることになる。残った茶葉をお酢や調味料で味付けしてサラダのように食べてもいいですし、お茶をいれる前の茶葉もおかずやご飯に混ぜたり、揚げて天ぷらにしたりして食べれば、より高い健康効果が得られます。味も意外といけますよ」(栗原院長)

 さらに、お茶は感染症や歯周病対策にも有効だという。茶カテキンには、抗ウイルスや抗菌作用があるからだ。

「より効果的なのは、緑茶でうがいをし、そのまま飲み込むこと。口の中だけでなく、のどのウイルスを洗い流すこともでき、胃の中で胃酸の力で死んでしまいます。コロナウイルスの感染防御にも使えそうです」(同)

 栗原院長は、チョコレートも生活習慣病全般の改善に有効だと指摘する。

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