風間杜夫
風間杜夫 (撮影/写真部・高橋奈緒)

 舞台、映像、朗読、ミュージカルから落語まで、幅広く活躍する俳優・風間杜夫さん。昔からファンを公言している作家・林真理子さんとの対談では、上映中の唐十郎作品「泥人魚」や初めてのテント芝居などを語りました。

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林:風間さん、コロナで規則正しい生活をしていたので太ったとおっしゃってましたけど、そんなことないじゃないですか。

風間:いやいや、太っちゃいましたよ。ガッツリ食べて昼寝をするという生活をしてたんで。

林:それ、お相撲さんが体を大きくするためにやることじゃないですか(笑)。私も太ったりやせたりしてるんですけど、コロナの初期に人生最大の数値を記録して、病院に行きましたよ。

風間:アハハハ。

林:いま風間さんはシアターコクーンでの唐十郎さんのお芝居(「泥人魚」12月6~29日)に出演中ですけど、このお芝居は初演なんですか。

風間:いや、18年前に「劇団唐組」で、新宿の花園神社でやったのが初演なんです。唐さん自身も出て。

林:今回は宮沢りえさんとの共演ですけど、りえさんとは初めてですか。

風間:舞台は「今ひとたびの修羅」というので共演しました。もう8年前になります。この「泥人魚」は、唐さんが宮沢りえさんをイメージしてホン(脚本)を書かれたそうで、演出の金守珍さんがそう言ってました。

林:そうなんですか。風間さんはどういう役なんですか。

風間:伊藤静雄という詩人もどきのブリキ屋のおやじなんです。

林:伊東静雄という有名な詩人がいましたね。

風間:長崎の諫早出身の詩人ですね。その人とは一字違いで、日常はほとんどボケていて、そのまだらボケ詩人が、どうも唐さんみたいなんです。諫早湾の「ギロチン堤防」ってありますね。干拓と水害防止のためにつくった堤防ですけど、そのとき漁業関係者だったやつらが土木のほうに移ったので、裏切ったとか寝返ったとか……。そして人間なのか人魚なのかわからない娘が……。ま、詳しい話はあんまり聞かないでください(笑)。

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