ウソ、ゴマカシ、責任逃れ。新型コロナウイルスで人類が危機の時代に突入したにもかかわらず、政治家たちの言葉は、人々を不安にさせるばかり。偉い奴ほどよく笑う、悪い奴ほどよく逃げる。いったい、この国はどうなってしまったのか?
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【前編/平井デジタル相の「完全に干す」発言 日本は独裁国家と同レベル!?】より続く
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目下の大問題は、コロナ禍で開催されようとしている東京五輪・パラリンピックだ。
そもそも東京招致の目的は、東日本大震災からの復興を目指す「復興五輪」だった。ところが13年9月、開催都市を選ぶ最終プレゼンテーション前の記者会見で、竹田恒和東京五輪招致委員会理事長(当時)はこう言ってしまう。
「福島と東京は250キロ離れている」
東京電力福島第一原発事故についての質問が相次ぎ、つい本音が漏れた。さらに3日後の最終プレゼンテーションでは、安倍晋三前首相がこう宣言した。
「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、制御下(アンダーコントロール)にある」
原発事故から10年を経た今も、福島県では3万5千人以上の人々が県内外に避難している。コラムニストの小田嶋隆氏は言う。
「結局、『復興五輪』のスローガンは招致を実現する道具でしかなかった。五輪開催の恩恵を享受できる一部の人のために、原発事故や震災という悲劇も利用する。論理が完全に倒錯している」
コロナ禍に見舞われた今、「とにかく五輪開催」という風潮に拍車がかかっている。そもそも責任者すら明確ではないのだ。菅義偉首相は5月10日の国会答弁で、「(五輪の)主催者はIOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)、東京都、大会組織委員会」と繰り返し、自らが開催可否を判断する立場にないと強調した。だが、当のIOCのバッハ会長は、「オリンピックを開催するためには、我々はいくらかの犠牲を払わなければいけない」という考えの持ち主。何かあった時に、責任をとるとは到底思えない。