片桐はいりが振り返る幼少期「見た目のことで昔は苦労もしました」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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片桐はいりが振り返る幼少期「見た目のことで昔は苦労もしました」

週刊朝日
片桐はいりさん (撮影/加藤夏子)

片桐はいりさん (撮影/加藤夏子)

稽古終わりとは思えない涼やかな姿。自前のファッションは、まさに自分に似合うものを知っている人の装い (撮影/加藤夏子)

稽古終わりとは思えない涼やかな姿。自前のファッションは、まさに自分に似合うものを知っている人の装い (撮影/加藤夏子)

「いつから女優を目指したのですか?」

 俳優・片桐はいりさんは、取材でそう質問されるたび、返答に困るという。片桐さんが子供の頃、“女優さん”と呼ばれる人は、若尾文子さんのような“選ばれし存在”を指すものだと思っていた。小さい頃から個性的な風貌の持ち主だった片桐さんにとっては、とても「なりたい」とか「なれる」などと夢想できるレベルのものではなかった。

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「見た目のことで、昔はそれなりに苦労もしました。性格的にも協調性がなかったので、いじめられたこともあったし……。特殊な家庭に育ったわけではないんですが、妙に、決めつけられることが嫌いで。図画の時間に、先生から『片桐さん、これは○○の絵を描いたの?』と聞かれると、言うとおりだったとしても、『違います!』と答えるような子供でした(笑)」

 集団行動にもなじめなかった。学校主催の短期留学制度に何度か応募したものの、そのたびに、「海外では教師の目が行き届かない可能性があるので、辞退してください」と言われた。「子供ながらにジリジリしたことはたくさんあります」と、おどけたように瞳を動かし、子供時代を振り返る。

「昔から、人と同じことをするのが好きじゃなかった。大人になってからも、流行りに乗っかったり、無理して若者言葉を使ったりするのが本当に苦手で。若者言葉を使うぐらいなら、小津(安二郎)先生の映画に出てくるような言葉を使いたいです。若者から、『片桐さんは昭和の人だから』と思われてたほうがずっとマシ(笑)。『どうでもよいことは流行に従い、重大なことは道徳に従い、芸術のことは自分に従え』という小津先生の言葉があるのですが、私のこだわりも、それに近い感覚ですね」

(菊地陽子 構成/長沢明)

片桐はいり(かたぎり・はいり)/1963年、東京都生まれ。成蹊大学卒業。俳優として舞台、映画、テレビなど幅広く活躍。主な出演作に、舞台「ベンチャーズの夜」「マシーン日記」「R2C2」「異邦人」「小野寺の弟・小野寺の姉」、映画「かもめ食堂」「私をくいとめて」、著書に『わたしのマトカ』『グアテマラの弟』『もぎりよ今夜も有難う』など。

>>【後編/片桐はいり オンライン劇は「おもしろい体験。でもレトルト】へ続く

週刊朝日  2021年6月4日号より抜粋


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