兵庫県警の神戸西署で署長(58)と副署長(57)を含む12人(4月18日現在)の警察官と職員が新型コロナウイルスに感染していた問題が注目を集めている。3月末に開催された人事異動後の歓迎会の飲み会で感染が拡大したとみられているからだ。
4月7日に50代の警察官の感染が判明した当初、兵庫県警は、副署長からの聞き取りをもとに、
「署長と副署長は、歓迎会には参加していなかった」
と発表していた。だが、13日に署長と副署長の新型コロナウイルスの感染が確認され、2人が歓迎会に参加していたことも明らかになった。
「問題の歓迎会は、3月26日に人事が出て、翌日27日の夜に神戸西署近くの居酒屋で開催されたそうです。署長が新しく赴任したので、神戸西署の幹部が7、8人集まって2時間ほどの飲み会をした。聞けば、会場は仕切りがある個室で、まさに“三密”のような感じだったそうです」(兵庫県警関係者)
この会の出席者のうち5人が感染。問題になっているのは当初、副署長が「署長や副署長は参加していなかった」などと、ウソの報告をしていたことだ。
「上の人が新任で来ると、歓迎会をやるのは当たり前という風潮が兵庫県警全体にある。副署長は、その慣習に則ったつもりでしょう。だが、新型コロナウイルスの流行で、どの部署も歓迎会は自粛しています。そんな中でも副署長は『前から予約が入っており、新任の署長が赴任したのでキャンセルするのもどうかと思い、開催した。人数を7人と少なくしてやったのでいいかと思った』という趣旨のことを話しているそうです。確かに県警は大規模な飲み会は中止としていて、小規模にしたから問題ないと副署長は言いたかったようです。監察官出身の新任署長をかばう思いがあったのかもしれません。幹部7人がいたのに誰も中止を言い出せなかったのか。情けない」(兵庫県警関係者)
現在、神戸西署は濃厚接触の疑いがある約120人が自宅待機となっており、兵庫県警本部から、120人の応援を得て業務をしているという。一部は、神戸西署の外に机を持ち出して、屋外で業務を行っている。