歓迎会の当日である3月27日、兵庫県の井戸敏三知事は新型コロナウイルス感染症対策協議会の記者会見で「不要不急の外出や会合は自粛を」と要請。

「兵庫の場合は、今日発症者がゼロになったというような形で、クラスターの押さえ込みはかなりうまくいっているのではないかとは思われます」

「クラスター化させない、そういう活動をしっかりやっていく」

 と、それまでの対策に一定の効果があったという認識を示していた。会見ではクラスター、オーバーシュートという言葉が何度も出て、緊急事態になる可能性を示唆するような発言もあった。

 井戸知事による危機感のにじんだ会見もよそに開催された歓迎会で、集団感染を発生させてしまったわけだから、“失態”どころでは済まないだろう。兵庫県警は署長と副署長を治療に専念させるためと、異動させた。

「120人が自宅待機で、県警本部からの同じ数が応援に行っている。県警本部も大変ですよ。もちろん、そこには多額の税金が使われることになります。井戸知事が新型コロナウイルスの感染拡大に強いメッセージを発しているにもかかわらず歓迎会を決行し、当初は参加していないとウソをついた。看過できないことで、コロナ感染がひと息つけば責任問題となるでしょうね」(兵庫県警幹部)

(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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