「“○○ペイ”や“キャッシュレス決済”は、そうしなきゃいけない、遅れてるぐらいの勢いですね。『ポイント還元』なんかも話題になりました。これをたとえば同僚から千円借りて、『利子付けて返す』というのも露骨だから、『ポイント還元で』と言い換えるとか、もっとのんきな言葉として浸透していくといいですね」

 と語る。

 一方、西川氏は、

「ネットやスマホ、電子マネーを使えず不便を感じる高齢者が数多くいます。“老後2千万円”という言葉には老若男女が大きな不安を感じたに違いありません」

 と想起する。

「そんななかで起こった、“上級国民”だから事故を起こしても逮捕されないのかという激しい反発や、関西電力の原発裏金問題。『ビューティフル』とは真逆の事件が相次ぎ、『ハーモニー』どころか江戸時代の身分制度が復活したかのような分断が際立ちました」

 お笑い界では、雨上がり決死隊の宮迫博之とロンドンブーツ1号2号の田村亮の謝罪会見に端を発する“闇営業”問題が話題となった。吉本興業の岡本昭彦社長の会見、「松本 動きます」という松本人志のツイートなども、インパクトを残した。

 アイドル界ではジャニーズ事務所ジャニー喜多川氏の訃報(ふほう)に衝撃が走った。“ジャニーさん”の生前のエピソードや人柄を振り返る際の、「YOU、やっちゃいなよ」といった、ジャニーさんの口癖などもクローズアップされた。一部の過激なファンの暴走と、そうしたファンとメンバーとのつながりが指摘され社会問題化した、“NGT48”に関する一連の騒動も記憶に残る出来事だ。

 西川氏は言う。

「金と反社会的勢力にまつわる事件でお笑いが笑えなくなってしまい、NGT48の騒動で『会いに行けるアイドル』がウリだったAKB系のアイドルグループからフレッシュさが失われてしまいました。長らく平成時代を席巻したお笑いブームもAKB系アイドルも終焉を迎え、令和らしいビューティフルなスターが求められています」

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