新元号を発表する菅官房長官に、ラグビー日本代表……今年の“顔”の面々 (c)朝日新聞社
新元号を発表する菅官房長官に、ラグビー日本代表……今年の“顔”の面々 (c)朝日新聞社

 改元という大きな節目を迎えた2019年も、はや残り2カ月ほど。また、たくさんの話題にのぼった言葉が生まれました。週刊朝日編集部が選んだ令和元年の流行語30選。“本家”新語・流行語大賞より少し先がけてお届けいたします。

【表で見る】週刊朝日が選ぶ「2019年の流行語」30はこちら

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「10年、20年たち、『2019年は何があった年だった?』と問われれば、『改元して新元号に変わった年』となるでしょう。“令和”という言葉は時代を画する単語であるとともに、流行語を超えた、まさに今年を象徴する言葉だったと言えます」

 と、2019年をそう位置づけるのは流行に詳しいマーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏。

「昭和から平成への改元の際には、昭和天皇が崩御された悲しみの中で国民全体が喪に服し、必ずしも前向きな気持ちばかりではない中で、新元号が発表されました。しかし今回は現在の上皇が生前退位されたこともあり、前向きな気持ちで新しい時代を迎えることができたのではないでしょうか。発表した菅官房長官は“令和おじさん”と人気を呼びました。また、従来のように古代中国の漢籍からではなく、『万葉集』という国書を典拠にし、太宰府をはじめゆかりの地がにぎわっています。後日、『ビューティフル・ハーモニー』と英語の訳が発表されたことも記憶に残る出来事です」

 05年に「おひとりさま(マーケット)」、09年に「草食系(男子)」が新語・流行語大賞にノミネートされた、世代・トレンド評論家の牛窪恵さんも、改元を含め時代の転換期を意識する一年になったという。

「改元、日韓関係からの“ホワイト国”問題、“上級国民”に“高齢ドライバー”、時代が移り変わる中でこの国がどうなっていくのか、人生100年時代に自分はどうなるかと考えた人も多かった一年だと思います」

 大きな変化として、消費税が10%になったことからの、“消費増税”“軽減税率”に“○○ペイ”や“キャッシュレス決済”、さらには“老後2千万円”問題など、身近なお金に関する言葉を日々耳にしたり口に出したりすることが多かった。『大人力検定』などで知られるコラムニストの石原壮一郎さんは、

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