ロッテの鈴木大地(C)朝日新聞社
ロッテの鈴木大地(C)朝日新聞社

 ロッテ・鈴木大地が他球団から熱視線を送られている。

 4月12日に出場選手登録日数が7年に到達し、国内フリーエージェント(FA)権の取得条件を満たした。ある球団の編成担当は、こう高評価を口にした。

「今年のオフにFA宣言すれば争奪戦の可能性がある。内外野を守れて打撃も勝負強い。今年は長打力も際立っている。あとはあのキャプテンシー。ロッテの選手もそうだけど、他球団の選手に聞いても誰も彼のことを悪く言わない。もちろんロッテも手放したくないだろうけど、まだ29歳と若いし魅力的な選手だよね」

 ロッテは交流戦を終えて5位(6月27日現在)だが、首位・ソフトバンクに5・5差とまだまだ優勝争いが狙える位置につけている。その原動力として鈴木の貢献度は高い。

 今年はレギュラーが確約されたシーズンではなかった。昨オフに2016年本塁打王のレアードが日本ハムから加入。同じ守備位置の三塁からはじかれる形となり、15年途中から続けていた532試合連続出場は開幕戦で途切れてベンチスタートだった。

 だが、そこからはい上がった。5月上旬から2番に定着。守備位置は内野、左翼に加えて指名打者とチーム事情に合わせて目まぐるしく変わったが、チームに不可欠な選手としてスタメンを奪い返した。

 6月27日現在、67試合出場で打率3割1分、12本塁打、44打点。5点差を九回にひっくり返してサヨナラ逆転勝利を飾った16日の中日戦(ZOZOマリン)ではバットを折りながらも、一、二塁間を抜ける殊勲のサヨナラ適時打を放った。

 成長の跡を見せているのが長打力だ。シーズンはまだ半分ではあるものの、12本と早くも自己最多本塁打をマーク。長打率は4割に達したことが昨年までのプロ7年間で一度もなかったが、今季は5割4分と大幅に上昇している。

 今年から本拠地・ZOZOマリンの外野にテラス席(ホームランラグーン)が設置された影響もある。とはいえ、飛距離が伸びていることは間違いない。この点もFAで市場価値を高めている大きな要素だろう。

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変わる最近のFA移籍の傾向