立憲民主、国民民主、共産など野党5党派は安倍内閣不信任決議案を6月25日、衆院に提出する方向で最終調整している。
明日の会期末と夏の参院選に向け、安倍政権との対決ムードを高める方針だが、野党が24日に提出した安倍晋三首相に対する問責決議案は参院本会議で否決された。
「解散がないので野党がパフォーマンスに走っているだけ」(自民党国対幹部)と与党は余裕だ。そんな中、参院選に向けてすでに走り出しているのが、二階俊博幹事長だ。
大阪市内のホテルでに18日、開かれたのは「二階俊博自民党幹事長と語る会」。4階の大きなホールには、空席が見当たらないほどの大勢の人でごった返した。その数約1000人。
二階派幹部の林幹雄幹事長代理や鶴保庸介元沖縄・北方担当相らと一緒に会場で二階幹事長を出迎えたのは、意外な人物だった。
北側一雄副代表ら公明党の幹部たちが最敬礼して待っていたのだ。この会は参院選に兵庫県選挙区から出馬する公明党の新人、高橋みつお氏のために、二階氏が用意した支援集会だった。
兵庫選挙区は、自民党からも兵庫県議だった新人の加田裕之氏が出馬することが決まっているが、その姿はなかった。兵庫選挙区は前回から定数が3議席に増え、公明党も独自候補を立てることになった。
「参院選で定数が複数の選挙区は自民党が2人立てるというのが二階先生の戦略。しかし、公明党候補がいるところは別。公明党の高橋氏を当選圏内に押し上げるため、わざわざ、自民党を支援する業界関係者を鶴の一声で集め、集会を開いてあげた。自民党でない候補者の集会を大阪で開催して、1000人も集めることができるのも二階先生ならではの剛腕ですよ。いくら連立を組む公明党のためと言っても、他党を支援するような集会をやれば、安倍首相だって通常、黙っていない。何ら問題なく開催できるのは、さすが二階先生のお力です」(二階派の衆院議員)
当日、駆けつけた自民党の現職国会議員は、総勢7人。公明党は北側氏や現職の赤羽一嘉衆院議員に加えて二階氏と国対委員長時代はともに辣腕を振るった公明党顧問、漆原良夫元衆院議員も壇上にあがった。
「素晴らしい会に感謝いたします」と二階氏に最敬礼して挨拶した漆原氏。そして、挨拶に立った二階氏はいきなり、「みなさんのおかげで、(公明党の)高橋みつおを励ます会、みんなで頑張ろうという合意が整った」とぶち上げた。