中日新監督の与田氏が1位指名の根尾にあいさつ (c)朝日新聞社
中日新監督の与田氏が1位指名の根尾にあいさつ (c)朝日新聞社
巨人の原新監督(左)のドラフト評価は低いものだった… (c)朝日新聞社
巨人の原新監督(左)のドラフト評価は低いものだった… (c)朝日新聞社
藤原との交渉権を獲得してガッツポーズを見せるロッテの井口資仁監督(右)の横で、渋い表情を見せる阪神の矢野新監督 (c)朝日新聞社
藤原との交渉権を獲得してガッツポーズを見せるロッテの井口資仁監督(右)の横で、渋い表情を見せる阪神の矢野新監督 (c)朝日新聞社

 セ・リーグ巨人中日阪神が新監督を迎えることになったが、組閣を巡っては「ぎこちなさ」がぬぐえない。中日が「寄せ集め」なら、巨人が「ワンマン」、阪神が「成り行き」といった感じか。巨人や阪神についてはドラフト戦略まで低評価を受け、2019年へ向けた厳しい船出を垣間見る結果となった。

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「本人が『満点』と言ってましたけど、確かに、これ以上はないと言っていい仕事をしましたね」

 こうベテラン記者が評するのは、中日の与田剛新監督のこと。今ドラフト最大の注目株だった根尾昴内野手(大阪桐蔭)の指名は4球団が競合し、予想通り抽選となり、見事当たりクジを引き当てたのが与田監督だったからだ。

「おまけに中日は2位で、ドラ1候補と言われていた即戦力の梅津晃大投手(東洋大)まで指名できた。いざ新監督が来季からチームを指揮し出しても、これほど大きな喜びをファンに与えることはできないんじゃないですか(笑)」(同前)

 こんな声が聞かれる理由は与田新体制の成り立ちにある。与田氏に白羽の矢を立てたのは白井文吾オーナーで、「理由は白井さんにしかわからない」と球団の親会社である中日新聞の関係者が言うほどの独断で「与田」という名前はかなり想定外だったらしい。

「オーナーとしては、新人王を獲得し、故障で苦労したウチのOBに託した、という認識なんでしょう。確かにOBではあるんですが、彼が在籍したのは20年以上前。時間が経ち過ぎていて、若い人は彼を知らないし、彼を知っているOBは、ずっと中日を離れていた男に、何で? というやっかみ半分で見ている。だから『OBのようでOBじゃない』という感じで、『乗れる舟じゃない』と見られていて、OBたちの協力が得られにくいようなんですよ」(前出関係者)

 ヘッドコーチとして伊東勤氏、投手コーチとして阿波野秀幸氏や赤堀元之氏など、中日OBではない面々に就任要請していると報じられているのは、そういう背景もあるらしい。

 一方で、与田氏は、フロントに残る森繁和前監督に介入されて傀儡にされることを避けている、という解説もある。

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与田氏が四苦八苦していることとは?