官邸を仕切る菅官房長官(左)と安倍首相(中央)と杉田官房副長官 (c)朝日新聞社
官邸を仕切る菅官房長官(左)と安倍首相(中央)と杉田官房副長官 (c)朝日新聞社
官僚に嫌われている西村官房副長官 (c)朝日新聞社
官僚に嫌われている西村官房副長官 (c)朝日新聞社

 事実上、次の首相を決める自民党総裁選を控え、ザワつく霞が関。国会で連日、論議された防衛省の日報問題、財務省の森友文書改ざん問題、文科省を揺るがした加計疑惑、局長らの収賄事件と、官僚の不祥事も続く。安倍政権に仕える現役官僚たちが語る本音と現実とは──。

【写真】官僚に嫌われている西村官房副長官

【A氏 文科官僚(30代)、B氏 財務官僚(30代)、C氏 防衛官僚(40代)、D氏 内閣府官僚(50代)】

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──9月7日に総裁選が告示されます。

内閣府D:安倍政権はずっと「経産省内閣」なんで嫌な感じですよ。もう5年以上になるので代わってほしい。ただ、一番代わってほしいのは、取り巻きの「安倍忖度グループ」の人たち。経済産業省出身の今井尚哉首相秘書官を筆頭に、幹部官僚人事を決める内閣人事局長の杉田和博官房副長官(警察庁出身)、和泉洋人首相補佐官(国土交通省出身)。この人たちは、パワハラと言われてもおかしくないレベルで他省庁の官僚を官邸に呼びつけ、上から目線で怒鳴るので評判はよくありません。あと経産省出身で国会議員になった西村康稔官房副長官も最悪。とにかく官邸が言うことは「今すぐ何が何でもやれ」とごり押ししてくる。指示も細かく、偉そうなので嫌われています。

文科省A:わが省は総裁選はほとんど気にしていません。一番気になるのは、改造で次の大臣が誰になるかということだけです。大臣によって、これまで丁寧につくってきた計画や、積み上げてきた行動が、ひっくり返されてしまう可能性があります。継続してきた仕事が、トップの一声でがらりと変わってしまうことは、勘弁してほしい。

財務省B:参院選、オリンピックが終わるまでは、安倍さんでいいです。でも、消費増税を先延ばししてばかりの安倍さんのままは困る。やっていけないだろうなという感覚です。今、財政赤字が相当なことになっているので、とにかく消費税を上げたい。一昔前は、日本人が国債を買っているから問題ないと言われていたんですけど、最近は国債の1割は外国人が買っています。

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