財務省B:森友問題に関しては、関係する理財局と、理財局以外では空気がまるで違いました。財務省の中でも理財局は当事者で、なんとしてもこの難局を一丸となって乗り切らなければという空気でした。一方で、問題をごまかしてはいけないという気持ちはありました。少なくとも室長より下の人は。課長より上はわからないけど(笑)。理財局以外、例えば主計局とか、主税局とか、税金を扱う部署は「何してくれているんだ」と思っているはずです。さらに、これで麻生財務相が更迭されでもしていたら、頭を抱えたと思います。財務省の立ち位置が下がるし、麻生さん頼みでここまで何とか官邸に対抗してやってきたので。ただ、今回の問題では安倍首相のために文書改ざんまでしたワケだから、大臣が更迭されるのも理不尽な話です。

内閣府D:それにしても、あの近畿財務局の、あれだけ昭恵夫人や政治家の名前を書き込んだ決裁文書って普通じゃまず考えられないですよね。これを言ったら問題になりそうだけど、公文書ってあそこまで詳細に書かないです。公文書以外に、備忘録メモとして別の紙に残すことはよくあります。それなのに保存期間が設けられている公文書にあれだけ書き込んだということは、よっぽど近畿財務局は、安倍首相、夫人案件について頭にきていたのでしょうね。文書に怒りが込められていたような気がします。自殺者も出ました。

(構成 本誌・田中将介)

週刊朝日  2018年9月14日号