防衛省C:わが省は経産省内閣と相性がいい。武器輸出、輸入などの政策にも力を入れてくれるので、大きな防衛計画の見通しをつけることができ、助かります。防衛通といわれるけど経済に弱そうな石破さんに比べると、安倍首相のほうがいいかなと思う。ただ、安倍首相の“お友達”は防衛省より極右で時々、怖くなる。安倍首相でなくてもいいけれど、安定した自民党政権がいい。防衛外交に関しては、野党はコネクションがないから機能しない。政権交代だけは勘弁です。

文科省A:確かに、民主党政権は思い出したくない……。アメリカの二大政党制とはわけが違いますからね。理想を掲げることは大切ですが、実現の可能性が低い政策は、事務方の仕事がはかどらない。現実的な路線が必要です。

内閣府D:鳩山、菅両元首相、前原元外相、長妻元厚労相、蓮舫内閣府特命担当相(事業仕分け)などはひどかったですよ。ただ民主党政権下は財務省の天下でしたが、安倍政権下では凋落が目立ちますね。

文科省A:ここ数年の経産省の躍進はすごい。

■経産省に人事で完敗した財務省

財務省B:官邸における立ち位置で差をつけられているのは事実ですが、若手職員は財務省と経産省のパワーバランスについてはそもそも興味がないですね。上の人たちは、「われら旧大蔵省が国家を主導するのだ」と思って仕事をしていたから、苦虫を噛みつぶすような気持ちだと思いますよ。ただ、いくら経産省だって予算で制御できるわけだから、全体的には世間で言われているような差はないですし、気にしていないですね(笑)。

内閣府D:今、うちが草刈り場になっている。この7月人事でも首相直轄の経済財政諮問会議、一億総活躍、働き方改革など看板政策を官邸と組んで仕切る内閣府経済財政部局の政策統括官(局長級)のポストをまたもや経産省に取られました。財務省が将来の内閣府事務次官に送り込んでいた官房審議官は競い負け、そのポストが取れませんでした。内閣府プロパーに回ってくるポストは官邸から疎まれているものばかりですよ。

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