アンタッチャブル 山崎弘也 (撮影/写真部・小原雄輝)
アンタッチャブル 山崎弘也 (撮影/写真部・小原雄輝)
第75回大会決勝、春日部共栄―育英。四回2死三塁、春日部共栄の4番柴田耕一が右前安打を放ち、1点を返す (c)朝日新聞社
第75回大会決勝、春日部共栄―育英。四回2死三塁、春日部共栄の4番柴田耕一が右前安打を放ち、1点を返す (c)朝日新聞社

 夏の甲子園は今年、100回目を迎える。その予習としても見逃せない「夏のアメトーーーーーク 高校野球大大大大大好き 栄冠は君に輝くSP」(テレビ朝日系、7月29日放送)に出演するアンタッチャブル・山崎弘也さんに高校野球の魅力を聞いた。

【写真】山崎さんの思い入れがある「第75回大会」決勝の春日部共栄対育英

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 夏の甲子園は(同じプロダクション人力舎所属の)いけだてつやと一緒に内野席で見ています。甲子園カレーは必ず食べますね。試合と試合の間に買いに行く。

 神宮球場の東京大会も。清宮(幸太郎)選手の2、3年時は見ましたよ。どっちも負けているんですけど。松井裕樹投手の3年時も見に行きました。神奈川大会で横浜に負けちゃったんですけどね。

 僕は(高校野球を)やってきた人間なんで、そのときの気持ちというか、自分がやれなかったことを球児たちにかぶせています。特に自分みたいに体格ががっちりした選手には目が行きますし、応援したい。プラス、(逸材を期待して)プロ野球の待っている側の目線。進路はどうするんだろう、これはドラフトの目玉になるな、とか。

 高校野球は3年しかないというのが魅力です。どんなに野球がうまくても、甲子園に出られるのは3年間だけ。ここで終わってしまうはかなさもありながら、ここから巣立っていくスーパースターを、今、この段階で見られている。

 思い入れがあるのは、1993年(第75回大会)決勝の春日部共栄対育英。

 春日部共栄の4番柴田耕一と僕は、小学校時代に牛島バッファローズっていうチームにいたんです。そのころからとんでもない選手でした。ホームランもバンバン打つ。僕の高校野球生活は、埼玉大会準決勝でその春日部共栄にコールド負けして終わります。春日部共栄が埼玉県勢として初めて優勝するかもしれないっていう試合だったので応援してたんですけどね。結局2-3で負けちゃって……。

 当時はテレビで見ながら応援しました。甲子園って「異国の地」。海外みたいな感覚でいたから、どこにあるのかわからなかった。代表校になって初めて行けるような場所だと思っていました。2002年に伊集院光さんに初めて甲子園球場に連れていってもらっている途中、タクシーの中からナイター照明が見えたんですよ。「うわぁ、来た! 伊集院さん、来ましたよー!」って大興奮してたら、運転手さんに「あれは藤井寺(球場)だ」って言われるくらい、わからなかった(笑)。

 今年の大会は出場校が多いじゃないですか。府県勢同士の対戦、甲子園で見る埼玉県勢同士の戦いとか、そういう試合がもしかしたら何回か……。ここでしかないですから。そんな“同門対決”のような試合を期待してます。

(構成/本誌・緒方麦、秦正理)

週刊朝日  2018年8月3日号

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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