「笑点」では、悲惨な事故や凶悪な犯罪には触れません。人の悲しみは笑いにつながらない。世の中には、どうしたって腹が立つこと、やりきれないこと、たくさんあるでしょう。だから、笑いが必要なんです。 

 いまは、ちょいと洒落の足りない時代になっちまった気がします。六代目円楽さんがあたしに絡むと、「けしからん」なんて電話がすぐかかってくる(笑)。楽屋に下がれば、噺家には厳しい上下関係があります。けれど、あたしから座布団運びの山田(隆夫)まで、一度舞台にあがったら、地位も名誉もみんな同格です。

 洒落を知るには、勉強なんかはいりません。落語を聞いてくださいな。

 そして、笑ってください。

(構成/澤志保)