宮崎さんによると、「朝、きちんと食べて、BMAL1が増える前に夕食を終わらせる」のが、理想だとか。やはり9時ぐらいまでには夕食を終わらせたいという。

「その際、朝を頑張って食べることを心がけるよりも、夜の食事を減らす、あるいは深夜にものを食べないといったことが大切。結果的に朝、おなかが空き、食事をとるような生活になります」(同)

 話を「ゆっくり食べる」に戻そう。そのためにはどうしたらいいか。管理栄養士で臨床栄養実践協会理事長の足立香代子さんは意外にもこう言う。

「“ゆっくり食べる”ように心がけても、長続きしません」

 そう話した上で、こんなアドバイスをする。

「ゆっくり食べようとするのではなく、“ゆっくりとしか食べられないもの”を食べればいいんです」

 例えば、健康にとって優良食品といえる豆腐。だが、冷ややっこをゆっくりと何度も噛んで食べるのは、現実的ではない。だとしたら、冷ややっこではなく、マーボー豆腐にする。それなら熱くて辛いため速く食べられない、というわけだ。

 野菜なら、パプリカや固ゆでのブロッコリーなど、しっかり噛めるモノがお薦め。問題は、めん類。「そのままのみ込んでしまう」(足立さん)からだ。

「私が実践しているのは、ゆで卵やチャーシュー、わかめ、野菜などを追加でオーダーしてトッピングする方法。噛む食材から食べ始めると、めんは全部食べられなかったりします」(同)

 もう一つのポイントは、アブラをしっかりとること。アブラはカロリーが高くダイエットからすると「敵」に近い。だが、足立さんはそれをうまく利用する。

 アブラは消化が悪いため、胃腸に長くとどまる。4時間以上かかることもあるという。つまり、昼食にアブラをしっかり使ったメニューを選べば、夕方になっても小腹が空くことがない。空腹を感じにくいため、夕食にドカ食いすることも防げる。

「お薦めのアブラはオレイン酸がたくさん含まれるオリーブオイルですが、それ以外でもOKです」(同)

 薄着になる季節がもうすぐやってくる。科学的根拠のある“食べ方マネジメント”で、今年こそダイエットを成功させよう。(本誌・山内リカ)

週刊朝日 2018年4月27日号