今回の処分を不服として貴乃花親方が協会を相手取って訴訟を起こす可能性もあるという関係者もいる。

「貴乃花親方は民事訴訟も考えているようだ。民事訴訟ならいろんな証拠を出すことができる。なぜ暴行が起きたのか?その背景の説明に協会執行部が知られたくないことも含まれるかもしれない。これから逆襲が始まりますよ。貴乃花親方は何が悪いのか、と周囲に語っていた。執行部のやり方は問題だと他の一門からも、貴乃花親方支援の声が上がってきている。危機の時こそとばかりに、団結、結束の機運が高まってきている。執行部は暴行事件で貴乃花親方を悪者にして、問題をすり替え、自分たちに火の粉が飛んでこないように演出している。こんなことは許せない。2月に向けて、戦うしかない」(貴乃花部屋関係者)

 しかし、執行部派の親方はこう突き放す。

「一時は解雇、部屋解散まで言われていた。理事降格で終わって貴乃花親方は助かったんじゃないか。警察に通報してもいいが、巡業部長として報告、協力は当然のことです。記者会見で言われたように、忠実義務の反していることは明白。貴乃花親方の言動は、とにかく協会を混乱させて、和を乱すことばかり。そうやって世間の耳目を集めて、少数派を大きくみせようとしているんじゃないか。弟子の暴行事件を自分の勢力拡大のために使っているとしか思えない。執行部批判ばかりしているが、2月の理事選に出られるわけで、感謝するべき。だが、理事降格ということは、それなりに重荷になる処分。自分勝手な行動は許されないという、執行部の警告です」

 相撲協会は同日の会見で、前回の理事長選で貴乃花親方を支援したとされる元協会顧問が在職中に背任的行為などをしたとして、元顧問と彼が代表取締役を務めたコンサルティング会社に約1億6500万円の損害賠償を求める訴訟を12月25日に東京地裁に起こしたことも発表した。

「元顧問は執行部から解雇されましたが、解雇は無効だと地位確認を求める訴訟を起こし、協会と係争中でした。執行部は今回の騒動でも貴乃花親方の背後にこの元顧問がいると睨んでおり、徹底抗戦する構えです」(協会関係者)

 泥沼化した今回の騒動、処分が決定する新年早々にも、波乱の展開があるかもしれない。

※週刊朝日オンライン限定記事