同研究所の患者報告数では、今シーズンのインフルエンザの流行は、過去5年の同じ時期の平均よりも高い。これから本格的な流行が始まることを考えると、何とかしておきたい。寺本医師は「まずは予防接種を」と呼びかける。

「一時期の供給不足は落ち着き、現在はワクチンが医療機関に十分に行き渡っている状態です。予防接種の後、免疫がつくまでは1~2週間かかってしまう。なるべく早く受けてほしいと思います」

 また、厚労省は使用量を抑えるため、医師が必要と認める場合を除き、予防接種の回数を「13歳以上原則1回」と求めているが、免疫がつきにくいとされる高齢者で糖尿病の患者、薬を5種類以上服用している人、ステロイド薬を服用している人などは、2回接種したほうがよい。

 予防接種を受けたからといって安心はできない。やはりあわせて予防も必要だ。大勢の人がいるところに行くときはマスクをし、帰宅したら必ず手を洗うこと。高齢者が年末年始にかけて特に注意したいのは、“孫との接触”だ。インフルエンザの大きな感染ルートの一つだからだ。

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