東尾修「ダルビッシュに見た日米スケールの差」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東尾修「ダルビッシュに見た日米スケールの差」

連載「ときどきビーンボール」

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東尾修週刊朝日#東尾修
ストーブリーグを熱くする日本ハム大谷も、世界基準の選手となってほしい(c)朝日新聞社

ストーブリーグを熱くする日本ハム大谷も、世界基準の選手となってほしい(c)朝日新聞社

 ここで考えるのだが、ダルビッシュの150キロを超える速球に対し、たとえ狙っていても、左中間席に弾丸ライナーで運ぶ日本の選手はどれだけいるだろうか。メジャー選手と日本選手の差は、ファンの方々が思っている以上に大きいものだ。日本球界が意識を変えなければ、少なくとも同じ土俵で野球をやっては勝てない。そう感じさせるだけの差がある。

 1点をどう奪うか、そして1点をどう守るか。短期決戦において、日本は緻密(ちみつ)なほど考える。それが日本の野球文化だ。しかし、メジャーの最高峰の戦いを見て改めてスケールが違うと感じた。「メジャーよりも緻密な野球は日本のほうが上」と思う方々も少なくないであろうが、圧倒的な力の前には、いくら細かい野球をしても、どこかで差は出てしまう。

 日本野球の将来を見据えた場合、それに甘んじていいのだろうか。二刀流としてメジャーに打って出ようとする大谷翔平、そして「世界の本塁打王」を目指すことを使命としてとらえる清宮幸太郎。世界基準の選手を数多く生むには、スケールを大きくする野球を前提とし、それに日本の伝統である細かな野球を積み上げるという意識が必要であろう。その考えが逆転していては、いつまでたってもメジャーを追い越すことはできないと感じている。

週刊朝日  2017年11月17日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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