「雨雲レーダーに映った雲は、すでに雨を降らせています。レーダーでキャッチしきれない雲を、例えばユーザーの方々が『おかしな雲が出てきた』と撮影して送ってくださることで、その地点でゲリラ雷雨が起きることも予測できるのです」

 ヤフーは、日本気象協会の予測に、複数の民間気象会社のデータを加味して分析しているという。広報担当者は自社アプリの特徴についてこう説明する。

「今日明日の天気と週間予報が一覧となっていて、見やすい画面が長所だと思います。データも多機能で、最大6時間の雨雲の推移がわかる雨雲レーダーや雷レーダー、花粉の飛散予報、PM2.5(微小粒子状物質)の情報もあります。観光施設やスポーツ競技場などの天気がピンポイントでわかります」

 日本気象協会の広報担当者は、本誌の調査結果に「がんばらないといかんですね、ウチも」と苦笑交じりに答え、こう話した。

「tenki.jpは、生活に密着した指数情報を出しています。洗濯指数のほか、例えばビール指数というのもあります。気温だけではなく、湿度や体感温度なども加味しながら出していますが、これからの季節だと鍋もの指数も算出しています。暑いときはヘルシーな水炊きを、寒いときは少し重めに鴨すきをおすすめするといった具合です」

 アップルジャパンの広報部からは「コメントなどは致しておりません」との返答があった。

 振り返れば、今夏も異常気象が列島を襲った。7月の九州北部豪雨は甚大な被害をもたらした。台風5号は迷走し、九州や四国に上陸するとの予測に反して、8月7日に近畿地方に上陸。消滅するまで19日も活動を続け、歴代2位の長寿記録となった。

 こうしたゲリラ雷雨や台風の発生で、天気予報の重要性は増している。スマホの利便性もあって、天気アプリに頼る機会はさらに増えそうだ。ただ、予報ははずれることもあるってことを肝に銘じておこう。(本誌・亀井洋志)

週刊朝日 2017年10月27日号