選定したのは、ユーザーによるダウンロード数が3千万にのぼる「Yahoо!天気」▽日本最大の民間気象会社ウェザーニューズが運営する「ウェザーニュースタッチ」▽気象業界の代表格とされる一般財団法人・日本気象協会の「tenki.jp」▽米大手気象会社ウェザーチャンネルが運営するiPhoneのアプリ──。

 調査は「7月24日からの2週間」と「9月11日からの2週間」の2期間にわたって実施。観測場所は、本誌編集部のある「東京都中央区築地」。期間中、子どもらが学校から帰宅する「15時」と、会社員らの帰宅ラッシュを迎える「18時」の予報と結果を毎日記録してみた。

 その結果が左ページの表だ。当たりが「○」、晴れと曇りの違いは「△」、曇りと雨の違いは「×」、晴れと雨の違いは大ハズレなので「××」とした。

 7月29日の15時は、実際には晴れだったのに、「Yahoо!天気」とiPhoneは雨と予報していたから「××」である。

 台風18号が九州に接近していた9月16日は、15時の実際の天気は曇りだったが、「Yahoо!天気」と「tenki.jp」は雨と予報していた。この日の18時には雨になったが、「ウェザーニュースタッチ」を除く3アプリは曇りと予測していた。

 調査期間内に限れば、2期間とも「ウェザーニュースタッチ」が僅差ながらトップになった。厳密な調査ではなく、結果はたまたまだったのかもしれない。ただ、アプリによって予報の仕組みがどう違うのか、精度を高めるためにどんな取り組みをしているのか、それぞれ尋ねてみた。

 ウェザーニューズの石橋知博・執行役員は言う。

「気象庁のアメダスは全国に約1300カ所。当社の独自観測網はその10倍の1万3千カ所あります。これまで5キロ四方ごとに観測していたのを、今年から1キロ四方ごとにし、予報精度を上げました。わずか数キロの範囲で局地的に起きるゲリラ雷雨も予測しやすくなりました」

 このほか、ユーザーから1日2万~3万件の空の写真が送られ、参考にしているという。

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