うれしいはずなのに“孫ブルー” 祖母たちの本音 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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うれしいはずなのに“孫ブルー” 祖母たちの本音

週刊朝日
イラスト・坂本康子

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『子や孫にしばられない生き方』(産業編集センター)

『子や孫にしばられない生き方』(産業編集センター)

「失礼ね! なんて口のききかたなのよ! あなたにはね、感謝ってものが足りないのよ!」

「親の顔が見てみたいでしょ。じゃ、玄関の鏡で自分の顔を見てくればいいじゃないよ!」

 以来、母と娘の間は険悪ムードのままだ。

 前出の河村さんも、孫を持つ60~70代の女性十数人を集めて「孫育てで言いたいこと」というテーマで座談会を開催したことがある。初めのうちは周りの出方を気にして誰も発言しなかった。が、河村さんが率直に話を始めたら、本音が出てくるわ出てくるわ。孫育てで奪われていく体力、自分の時間。その一方で増加していく孫支出。

「忙しい現役世代を応援するための“イクジイ”“イクバア”という言葉が世の中にはずいぶん浸透しているようですが、何でもかんでもおじいちゃんおばあちゃんにおまかせ、ではやはりシワ寄せが出てくるんです。それに60代、70代になれば、いつまでも元気で生きられる保証なんてどこにもないでしょう?」

 河村さん自身、孫が生まれる前に初期の肺がんがわかり、手術をした。また、病気ひとつしたことのなかった夫も、娘が懐妊する1年前に病で亡くなっている。

「それを考えると、自分の時間も大事にしたいと思うのも、決してただのワガママではないと思います」

 河村さんは現在、娘世帯と2世帯同居をしている。

 娘はなんと双子を産んだ。「ですから、私で手伝えることはなるべくやってあげたいです。でも、安請け合いをして、あとからあれもこれもできないと言いだすのは一番よくないと思うのです。大切なのはある程度の距離を保って、お互いに助け合うこと。そこで私と娘世帯はいくつかのルールを守ることにしています」

 ひとつは経済面での自立。

「夕食は一緒にとることが多いので、食事の費用は現時点では半分ずつ出し合っています。私のほうが年齢を重ねている分、少量でも上質なものを食べたいという希望があるからです。孫たちの教育に関するお金は、娘世帯の収入の範囲内でやりくりを考えてと伝えています。あくまでも基本的にですが、親世帯からの贈与や援助などをあてにせず、孫の教育のプランニングをしていってほしいです」

 税理士の中島典子さんも言う。

「教育資金の一括贈与の非課税は最大1500万円まで。お孫さんが生まれるとよく、大きな金額を贈与される方もいらっしゃいます。でも、贈与した側のそのあとの暮らしが苦しくなっては困りますからね。また、年間110万円までの贈与税の非課税(使途は何でもよいので『なんでも贈与』とお伝えしています)で孫育てを援助するご家庭もありますが、これは結局もらった側は何に使ってもよいので、孫の教育のために使われたかどうかがわかりません。となると、一番いいのは、将来的にもし必要なときがあるならば、必要な金額をその都度、祖父母が直接払ってあげることです。今はまだ関係ない話でも、これは覚えておいたほうがいい知識です。たとえば入学金や授業料ですね。これらを祖父母から学校に直接振り込みます。祖父母の『扶養義務の履行』には贈与税はかかりませんし、祖父母にとっても確実な“教育のための出費”とわかります。普段からちょこちょこお金を子世帯に渡すよりも、肝心なときに助けてあげるほうがいいかもしれません
ね」


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