また最近では、孫のために生命保険に入る人も多いそう。

「生命保険は保険金をストレートに、あげたい人にあげられるからです。将来本当に困ったときに使うお金として、孫にこのような形でお金を準備しておくという手もあるのです。ただし、契約者や被保険者を誰にするかなど契約形態等によってはかかる税金が異なります。契約前に必ず確認しましょう」

 河村さんがお金ルールの次に大事にしているのは何だろうか。

「整理整頓です。生活がすべて別にできるように、戸建てを2世帯に改装して住んでいます。私のリビングに孫たちは当然遊びにやってきますが、リビングに広げたおもちゃは自分たちの部屋に帰るときに必ず持って帰るルールです。リビングは静かな時間を過ごせる、私の唯一のオアシスです。『今日くらい、散らかしたままでいいわよ』は、そのあとすべてをなし崩しにしてしまいます。置きっぱなしになっているものはサッとまとめて、娘たちの部屋の前に置いておくようにしています」

 孫のものは、一度散らかりだしたらキリがない。

「2世帯住宅でも同居のお宅でも、やはり親世帯のものと子世帯のものはごちゃ混ぜにならないよう片付ける習慣を徹底したいですね」

 と収納アドバイザーのすはらひろこさんも言う。

「初めはよくても、だんだん自分のスペースが侵食されているような気持ちにもなるものです。今は100円ショップでも収納ボックスなどはいろいろな種類があります。そういうもので孫のものはその親が毎日きちんと片付けていきましょう。また、孫自身にも片付ける習慣をつけさせていくことが大切です」

 あと、孫の成長過程でどんどんはみ出してくるのは、靴だ。

「2世帯住宅で玄関はひとつ、というお宅の場合、最初に設置してある靴箱になかなか全員の靴は収まらなくなってくるものです。靴用ラックはホームセンターなどでたくさん売っています。そういうものできちんと整理していきましょう。玄関に入って靴が散乱しているのは、気分がよくないものです。共有スペースというのはお互いにきれいにするように心がけたほうがいいと思います」

 そして河村さんは家族間のスケジュールの共有もルールとして非常に大切にしている。

「月に1回、家族でお互いのスケジュールを確認しています。そして、たとえば娘の夫が不在の日には、私が極力家にいて娘をサポートする等、お互いにできることを確認し合うのです」

“突然の依頼”は基本的にはナシというのは、大事なルールだ。

「“突然”というのも受け入れないといけないことはたくさんあると思います。でもそれをやり始めると、『いつでもOK』に必ず結びついていってしまいます。これは最初からNGとして提示しておきたいですね」

 孫は確かにかわいい。でも、限られた人生を不満をためながらピリピリ生活することはない。

「一緒に生きていくもの同士だからこそ、暮らしのルールは最初に話し合うことです。そして孫の成長過程に合わせて、時折、ルールを見直して。親も子も互いに寄りかかって生きないこと。私たち世代の人間がもっと声をあげてもいいのではないかしら」(エディター・赤根千鶴子)

週刊朝日 2017年10月20日号