熊本悦明式「攻めの健康科学」(週刊朝日 2017年8月4日号より)
熊本悦明式「攻めの健康科学」(週刊朝日 2017年8月4日号より)

 男性ホルモン(テストステロン)が減少し、年齢と共に少なくなる「朝立ち」。しかし、「朝立ち」は重要だと訴えるのは、「日本の男性医学の父」とうたわれる本悦明医師だ。コラムニストの石原壮一郎氏がその必要性と回復させるための方法を聞いた。

■「朝立ち」の秘密(1)
長寿を楽しく生きるためには、「朝立ち」を大切にする必要がある

 日本人の平均寿命は、男性も女性も80歳を超えています。50歳から先の人生は30年。20歳から50歳までと同じ長さがあると考えると、老け込んでいる場合ではありません。

「私が提唱しているのは、健康に楽しく長生きするための『攻めの健康医学』です。これまでも食事や運動、社会活動の大切さは言われてきました。でも、それだけでは幸せの四つ葉のクローバーにはなりません。もうひとつの欠かせない要素が、減退する男性ホルモンの補充です」

 誤解されがちですが、朝立ちや勃起にこだわるのは、セックスが目的ではありません。結果として可能になるかもしれませんが、大切なのは元気ハツラツな状態を保つことです。

「男性ホルモンは、いわば身体という車のエンジンオイル。ボディーやエンジンにそれなりのガタがきていても、エンジンオイルをちゃんと加えれば、スムーズに動いてくれるんです」

■「朝立ち」の秘密(2)
食事や睡眠に気をつけ、運動を心がけることで、男性ホルモンは増える?

 恥ずかしながら、就寝中のふくらみ具合を測定する装置「エレクトメーター」を使ってみました。その結果、寝ているあいだに外れてしまうこともありましたが、どうにか「目安」はクリアしていました。素人判断ですけど、今すぐ治療が必要というわけではないようです。

「ストレスをためない、睡眠を十分にとる、食生活をしっかり管理する、運動して筋肉を刺激し、常に血のめぐりをよくしておく。こうしたことである程度は、テストステロンの分泌の低下を予防できます」

 玉ねぎやニンニク、カキなどは、男性ホルモンの生成を助けると言われています。肉や卵をたくさん食べることも大切だとか。

「ただし、あくまで予防であり、劇的に増やすことはできません。分泌が低下してしまったら、ちゃんとした治療が必要です」

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