長寿を楽しむためにも「朝立ち」は必要? 医師が解説

シニア

2017/07/31 07:00

■「朝立ち」の秘密(3)
健康保険の適用範囲で男性ホルモンの補充治療が受けられる

 熊本先生たちの地道な訴えによって、98年から健康保険が適用され、5千円程度で男性ホルモンの値を測定できるようになりました。

 補充治療が必要となった場合、最初は月2回、落ち着いたら月1回、健康保険で注射を受けることができます。注射の費用は1回あたり数千円。半年ほど治療を続ければ、大半の人に症状の改善が見られるとか。自由診療の場合、さらに治療方法の選択肢は増えます。

「精神科でうつと診断され、いくら薬を飲んでも治らなかった人が、男性ホルモンを補充したら回復したという例は山ほどあります。『本態性うつ』の場合は精神科での治療が有効でしょう。しかし、更年期障害によるうつ症状は精神科では回復しません」

 元気がない、やる気が出ない、何より朝立ちがないと感じたら、「男性更年期外来」や「メンズヘルス」の看板を掲げているお医者さんを訪ねてみましょう。泌尿器科や内科のお医者さんでも、対応してくれるケースはあります。

■「朝立ち」の秘密(4)
男性ホルモンの投与にはリスクも!? 「朝立ち」は人生を考えさせてくれる

 男性ホルモンの補充治療は、中高年男性を若返らせる「奥の手」かもしれません。ただ、リスクゼロとも言い切れないようです。

「男性ホルモンを投与すると、前立腺がんにかかりやすくなるという説があります。すでにがんがある人には問題かもしれませんが、ない人には問題ないと私は考えます」

 前立腺がんの兆候を示す「PSA」の値を定期的に検査することで、リスクを減らすことができるとか。

「ドーピングだから嫌だという人もいるんですよね。五輪選手がやったらドーピングですけど、中高年が元気を取り戻すために補充するのは、メガネをかけたり入れ歯をしたりするのと同じです」

 老化に身を任せるか、治療で老いに抗うか。もはやこれは人生哲学にかかわる問題。「朝立ち」をめぐる冒険を続けてきたら、人生にどう向き合うかという問題に直面しました。

 私たちの寿命がこれだけ延びたのは医学の進歩のおかげ。だったら、最後まで医学のお世話になって元気に過ごすのが、大人としての潔い態度ではないでしょうか。

 朝立ちよ、ありがとう!朝立ちよ、永遠に!

週刊朝日  2017年8月4日号より抜粋

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