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走りすぎるとEDに!? 医師が教える適切な“月間走行距離”とは?

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週刊朝日#健康

走りすぎると男性機能が低下するとなると、ドキッとする人もいるのではないか (※写真はイメージ)

走りすぎると男性機能が低下するとなると、ドキッとする人もいるのではないか (※写真はイメージ)

「恥ずかしい話ですが、ストレスとED(勃起不全)に関係はあるのか聞きたいんです。実は男性としての機能が衰えてきて……」

 メンタルドックでは、活力もあり疲労感も見られなかったため、日下部さんはある疑問を抱いた。

 過度な運動が男性機能の低下を招いているのではないか──。

 よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニックの奥井伸雄医師は言う。

「走りすぎることでEDになりますよ」

 どういうことなのか。

「血液の中にテストステロンという男性ホルモンがあるのですが、これは血管のむくみをリカバリーする働きがあります。テストステロンが減少すると血液の流れが悪くなるので、男性器は勃起しなくなります」

 体に過剰なストレスがかかると、血液の流れが悪くなり血管がへたってしまう。テストステロンはそれを回復させる効果があり、運動により筋肉が刺激されると分泌されるという。減少する原因はどこにあるのか。

「走りすぎによる極度の疲労です。体にストレスがたまり、テストステロンを作る能力も落ちるのではないかと考えます。テストステロンは疲労した筋肉や血管のリカバリーなどに使うので、需要と供給のバランスがおかしくなるんです」

“走りすぎ”と言われてしまう距離はどれほどなのか。奥井医師によれば、月間200キロがそのラインだという。グラフを見てみよう。市民ランナーの1カ月あたりのランニング距離とテストステロン値の関係を調べたところ、100キロまでは数値が高いが、200キロを境に数値がガクッと落ちているのがわかる。

「この調査は45歳から55歳の男性を対象に実施したのですが、これは男性更年期になりやすい年齢層でもあり、テストステロンの数値の低下が顕著に表れています。ちなみに30代や40代前半だと、男性ホルモンにまだ余裕がある。危険信号がともりやすいのは45歳が境でもありますね」

 一方、生理学に詳しい別の医師は、テストステロンの過剰な産生が脳に影響してEDになる可能性があると指摘する。

「EDは脳の自律神経を介した機能がうまく働かないことで起こります」

 この医師は、1986年にミシガン大学が「男性マラソンランナーは性腺刺激ホルモン放出ホルモンの放出が減少している」と発表した論文を例に出し、

「このホルモンは脳から分泌され、テストステロン生成の鍵となります。過度な運動でテストステロンが過剰に産生されすぎることで、脳が高濃度のテストステロンに繰り返しさらされ、反応不全のような状態になります。その結果、男性ホルモンのコントロールがおかしくなり、勃起しなくなるという可能性があるのでは」

 と説明する。


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