ミッツ・マングローブ「自業自得の暴発をする自由の国の限界」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミッツ・マングローブ「自業自得の暴発をする自由の国の限界」

連載「アイドルを性せ!」

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ミッツ・マングローブがドナルド・トランプについて語る

ミッツ・マングローブがドナルド・トランプについて語る

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「ドナルド・トランプ」を取り上げる。

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 よもやまさか、本当にアメリカ大統領の座を射止めてしまったトランプ氏。オカマじいさん。彼の過激で非常識な言動、思想や方針は必ずしも賛同されるものではないのは明らかです。それでもトランプを当選させてしまうほど、ヒラリーでは嫌だという感情が勝ったことだけは分かりました。しかしながら今回の結果は、アメリカもしくは世界の人々が抱えているであろう本音や深層心理を、改めて浮き彫りにしたのではないでしょうか。

『差別をなくそう』。長い年月をかけて世界は、この理想を掲げ律してきました。人種、性別、宗教、出自など、世の中はあらゆる『差』を生じさせながら成り立っており、それらの『差』が、優越や上下といった価値観に置き換えられることで『差別』が生まれます。もちろん、理不尽で暴力的な蔑視や排除は言語道断ですが、それでも生理的な違和感や嫌悪感は、多かれ少なかれ人の心の奥底に渦巻いていて当然なのです。それを無闇やたらに平等意識だけを煽り続けた結果、少数派からすれば「直接的な差別は薄れても、結局何も変わっていないという不満や疑念」が鬱積しているのが現状。一方で、多数派側も「何をするにも、尊重と慎重さに縛られていることへの辟易感」がピークに達しています。どんな事柄・立場にも権利意識を持ち、主張するのが当たり前となった半面、世の中の寛容性はどんどん失われ、無理に取り繕ってきた軋轢(あつれき)が、爆発しているように感じるのです。


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