慶應義塾大の鈴木秀男教授による「プロ野球のサービスの満足度調査」で、カープが1位を獲得する項目が目立つ。「席のすわり心地」「席からの試合の見やすさ」「フード商品」「トイレ」「ユニホーム」……。鈴木教授によると、マツダスタジアムやファンサービスが満足度に大きく作用しているという。

 若い女性ファンの増加は「カープ女子」現象を生み、流行語にもなった。『神さま、そろそろカープに優勝を!』(宝島社)の著者で作家の迫勝則氏は解説する。

「家でテレビ観戦しているのは『おやじギャル』です。『カープ女子』は球場に足を運ぶんですよ。応援の一体感から好きになる」

 広島に地縁も血縁もない関東の女子にも広がった。

「守りと機動力を生かした高校野球のようなんですよね。純粋さがハートをつかんだのでしょう」(迫氏)

 広島県が東京・銀座に出店した「TAU(たう)」のカープグッズ売り場面積は開店した4年前の約5倍に。首都圏で試合がある日は5万円分の買い物をするファンもいるとか。東京・神田の広島お好み焼き店「Big‐Pig」は連日のようにユニホーム姿の客らでにぎわう。記者がわずかながら空いている席を見つけたが、店員は申し訳なさそうに断った。「予約席なんです。レジの横に立って酒を飲んでいただくしか……」

週刊朝日 2016年9月16日号より抜粋

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