「パンや洋食ではなく、『卵かけごはん』を24時間無料で出しています。ホテルの敷地内でタケノコが採れるので、従業員が掘って、お客様にナマのタケノコをプレゼントするサービスもやってます。高齢者に大変喜んでいただいてます」(同)

 最近のラブホでは、ビデオ・オン・デマンド(VOD)を導入。洋画、邦画からアダルト映像まで、1千タイトルが見られる所もあるという。

「2人でお風呂に入り、無料の食事をとり、映画を見てゆっくり過ごすというのが、老後の新しい楽しみ方ですね」(同)

 嶋野代表はこんな提案も。

「日本を訪れる外国人が増えてホテルが足りなくなっている今、全国に15万室もあるラブホをもっと有効に活用してもらいたい。消防法や建築基準法などの法律をちゃんとクリアしているんですから、なぜ、そういうふうには考えられないのかと思います」

 もう少し高齢者のラブホ事情を紹介しよう。ラブホで老いらくの恋を楽しむのは埼玉県在住の71歳の男性だ。仕事を引退し、現在は妻と2人でアパート暮らし。子供はいるが、独立して所帯を持っている。彼はダンスとカラオケが趣味で60年代の洋楽を歌って踊る。とても元気で記者より歩くのが速いくらいだ。

 毎朝、駅の近くの喫茶店で500円のモーニングを食べるのが日課。平凡な毎日を送っていたが、今年になって、その喫茶店で働く30歳の美しいウェートレスに恋をした。

次のページ