受験当日の心構えとは?
受験当日の心構えとは?

 2次試験まで1カ月、2月3日の出願締め切り日まであとわずか。受験指導のプロに聞いた受験当日の心構えを紹介する。国公立大学入試は最終コーナーを回った。勝ち抜くために、受験生は必読だ。

 勉強はした。当日の成否を分けるのは体調管理だ。

 34年連続東大合格者数日本一を誇る開成高校(東京都荒川区)の柳沢幸雄校長は、インフルエンザの予防接種などに加え、手洗いの大切さを再認識してほしいという。

「石鹸を使い30秒間。『ハッピーバースデートゥーユー』を口ずさむとちょうどいい。気持ちも明るくなります」

 試験当日の朝に力を出し切れるように、早寝早起きの励行はよく言われることだが、環境工学が専門の柳沢校長はさらに、目覚ましに頼らず、朝は自然に目が覚めるようになることが大切だと説く。コツは、

「自分に必要な睡眠時間から逆算して就寝時間を決め、その3時間前からは、スマホやパソコンは見ないこと」

 画面の光に含まれるブルーライトによるメラトニンの抑制を防ぎ、生体リズムを整えやすくするという。反対に、起床後にスマホやパソコンの画面を見るのは、ブルーライトが脳の覚醒に役立つのだとか。

 サポートする家族が心がけるべきことはなにか。

 東大、京大、医学部などに多数の合格者を出す灘高校(神戸市)の和田孫博校長は「普段と変わらない生活を」と話す。

「ご家族は『大丈夫か』などと言いがちですが、プレッシャーを与えるだけです。受験生を信じて、今までと変わらない態度で見守ってください」

 そして迎える本番当日。まだやれることはある。『新・受験勉強入門〈参考書ファイル〉』(ブックマン社)などの著書がある精神科医で、緑鐵(りょくてつ)受験指導ゼミナール代表の和田秀樹さんは、ちょっとした裏技を教えてくれた。

「試験会場でアホっぽい受験生を探して、『この人に負けるはずがない』と自己暗示をかけるんです」

 精神的に優位に立てるという。休み時間にも注意点が。つい答え合わせをしたくなるが、「絶対にしないこと。もし間違えていると動揺してしまう。次の科目のことだけ考えましょう」(和田さん)。やるだけのことをやったのだから、落ち着いて。

 最後に、柳沢校長の言葉を贈る。

「集中すると実力以上のものが出せます。入試は、力を120%出した人が勝つのです」

 合格をお祈りいたします。

週刊朝日 2016年2月5日号より抜粋