丸山茂樹 タイガー・ウッズに「わざわざ予選落ちをしに来ることはなかった」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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丸山茂樹 タイガー・ウッズに「わざわざ予選落ちをしに来ることはなかった」

連載「マルちゃんのぎりぎりフェアウエー」

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 腰痛および背筋痛のため12月までの休養を発表したタイガー・ウッズ(38)。ワールドランキングでもトップ10落ちとなってしまったが、丸山茂樹氏には、タイガーの父が発した、忘れられない“予言”があるという。

*  *  *
 今季の海外メジャー最終戦、全米プロ選手権(8月7~10日、米ケンタッキー州ルイビル・バルハラGC)で、タイガー・ウッズが予選落ちしました。

 プレーを見てると、イライラして、テンションが上がらないのが、あからさまに分かりました。3月に手術した腰をかばうしぐさも、何度も見られました。

 復帰3戦目だった前週の試合で、最終日に腰の痛みで途中棄権してるんです。なのになぜ強行出場したのか、まったく分からないんですよね。僕がもしタイガークラスの選手だったら、絶対出ません。別に全米プロ選手権がこれで最後ってわけでもないし、彼なら歴代チャンピオンってことで、何十歳まででもメジャーに出られるはずです。

 それに、これは僕らも通ってきた道ですけど、体によくない箇所があるときって、まあテンションは上がらない。しかもプレーがうまくいかないと、体の不調を理由にしちゃうんですね。今回のタイガーみたいに、腰に手を当てたくなっちゃうんです。だからね、わざわざ予選落ちをしに来ることはなかったんじゃないかと思っちゃうんですよね。

 これで早くもタイガーの今季は終了です。出場7戦で25位が最高。プロ転向後、最低の成績で終わっちゃいました。

 僕が自分より6歳下のタイガーを初めて認識したのは、彼が16歳のときの試合でした。まだ体がヒョロヒョロでね。でもスイングを見ると、体は細いのにバネがあった。振りがすごくて、「いやー、わっかいなぁー」って思いました。

 初めて話したのは1998年のプレジデンツ杯ですね。一緒にラウンドしたりして、仲よくなって。彼のお父さんのアールさんが、僕にとってもよくしてくれたんです。「マル、マル」って声をかけてくれて。

 そしたらね、アールさんが僕にこう言ったんです。「あと2年でタイガーのスイングは完成する。彼の本当の強さはそこからだ」ってね。その前年に21歳でマスターズを制してたんですけど、「まだホンモノじゃないんだ」って。

 そしたら2000年の全米オープン選手権に勝ってから、怒濤の勢いですよ。アールさんはこうも言ってたんです。「いずれタイガー・ウッズという名前は、アメリカの大統領以上に全世界に知られることになるだろう」って。ほんとにそうなりましたからね。言葉が現実になっていくにつれて、アールさんの言葉が、脳裏から離れなくなりました。一生忘れられないでしょう。

 もうね、タイガーはタイガーなんで、この先、試合で100打とうが200打とうが、いいと思うんですよ。タイガーは終わったなんて簡単に言う人もいます。「ダメ」とか「前と違う」とか。そんなの当たり前じゃないですか。歴史を重んじる、じゃないですけど、彼の成し遂げてきたことを見ましょうよ。メジャー14勝、米PGAツアー79勝。レジェンドはもう、どうなってもレジェンドなんです。

 タイガーが最終的に目指すところは、ジャック・ニクラウスのメジャー18勝です。その目標がある限り現役を続けていくんだろうし、僕は今後のタイガーを楽しみにしてますよ!

週刊朝日  2014年8月29日号


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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表ヘッドコーチを務める

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