ドラフト直前 桐光・松井に「低評価」情報が流れるワケ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ドラフト直前 桐光・松井に「低評価」情報が流れるワケ

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松井は「希望の球団はない」と語り、12球団OKの姿勢をみせている (c)朝日新聞社 

松井は「希望の球団はない」と語り、12球団OKの姿勢をみせている (c)朝日新聞社 

 10月24日、プロ野球のドラフト会議が行われる。不作といわれる今年のドラフト候補のなかで、目玉はなんといっても桐光学園(神奈川)の松井裕樹(17)だ。昨夏の甲子園で1試合22奪三振の大会記録を作った左腕には多くの球団が熱い視線を注ぐ。1995年のドラフトで高校生最多の7球団から1位指名を受けた福留孝介(現阪神)を上回る可能性もあるとも報じられた。

「今年は松井投手の次に名前の挙がる選手が各球団バラバラ。そのため、たとえ1位指名で抽選に外れても、2番手評価の選手を獲得できる可能性は高い。それなら重複覚悟で松井投手を指名しようという球団が多く出てきてもおかしくない」(プロスカウト)

 松井の武器は、MAX149キロの直球と大きく曲がるスライダー。しかも、その腕の振りが同じなので、打者には見極めが難しく、タイミングを外される。

 加えて、今春までに右打者の外角へ落ちるチェンジアップを覚え、夏には左打者のインコースに鋭く曲がるカットボールも習得した。球種を増やし、ストライクゾーン内で勝負することを覚えた結果、球数が多い傾向も大きく改善された。

 ところが、今年の松井には結果がついてこない。

 今夏の神奈川大会準々決勝では横浜に2-3で敗れ、甲子園への出場を逃した。また、8月下旬から台湾で行われた18U(18歳以下)W杯では、高校日本代表のエースとして2勝を挙げたものの、決勝のアメリカ戦では敗戦投手となった。いずれの試合も、決め球であるスライダーを簡単に見極められ、球数が増えた結果、甘いボールを痛打された。W杯決勝後、松井はこんな言葉を残した。

「二つの大会の負けを野球生活の糧にして、今後は勝てる投手になりたい……」

 この結果を受けて、D eNAや阪神など、松井への指名を回避し、九州共立大の大瀬良大地(22)やJR東日本の吉田一将(24)ら即戦力投手を狙う球団も出てきた。背景には、二つの敗戦で露呈した松井の勝負弱さがあることは明白だ。

 メジャースカウトの一人は松井についてこう語る。「先発としては難しいかもしれない。確かにブレーキングボール(軌道が急激に変わる変化球)は素晴らしいが、2回り日には対応されてしまう可能性が高い。彼はリリーバー(中継ぎ)タイプではないか」。

 もっとも、ドラフト前に流れる噂は競合相手を減らすためのブラフの可能性もある。ドラフトで松井が競合指名されるのは間違いない。高校生最後の夏に喫した屈辱は、プロの舞台で晴らすしかない。

週刊朝日 2013年11月1日号


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