「雷電IPA」。季節によってタイプの異なる「雷電」。この「インディアペールエール」は秋限定
「雷電IPA」。季節によってタイプの異なる「雷電」。この「インディアペールエール」は秋限定

 昨今、“クラフトビール”の看板を掲げる店が都内に増えている。いわゆる「とりあえずビール!」のビールと何が違うのか?

 東京・六本木の「アントンビー」は、クラフトビールを常時約20種類揃えている人気店。店内には、樽につながるタップ(注ぎ口)が壁一面に取り付けられ、日替わりメニューもビールづくしだ。大阪の箕面ビール、長野の志賀高原、新潟のスワンレイク…。ん? これって地ビールじゃないの?

「そうですね。かつては地ビールといいましたけど、最近はクラフトビールという名称が主流です」とは、店長の河辺牧子さん。

 かつての地ビールブームは、1994年の規制緩和で、ビールの醸造免許取得に必要な年間最低製造量が引き下げられ、多くのメーカーが参入したという背景がある。一時は200社を超えるブームとなったが、次第に飽きられ、いつしか淘汰されていった。

「でも、おいしいビールを造ろうと頑張ってきた会社もあり、今では海外のコンテストで賞を取る国内メーカーもあります」(河辺さん)

 さっそく長野県のオラホビールが造る“雷電IPA”をグビッ。さわやかで豊かな香りが鼻に抜けた後に、シャープで強い苦みが感じられる立体的な味わいだ。う、うまい!

「フルーティーなもの、苦いもの、度数の高いもの、いろいろあるのがクラフトビール。自分の好きな味を見つけたら、そこから世界が広がりますよ~」(同)

週刊朝日 2012年11月23日号