Q:腸内環境を整えるには?


 
 腸内環境を整えるために積極的に摂っていただきたいのが発酵食品と食物繊維。ヨーグルト、キムチ、みそ、納豆、漬物などの発酵食品には、乳酸菌などの善玉菌が多く含まれているため、これらを食べて腸内の善玉菌を増やしましょう。

 また、善玉菌が喜ぶような食材を多く摂ることも大切。海藻類、根菜類の野菜、穀物、果物、きのこ類、大豆などの食物繊維は善玉菌の大好物です。食物繊維は便のかさを増やしてぜん動運動を促す他、便を軟らかくして排便を促すので、腸内をキレイにするのにも効果的です。みそ汁に野菜やきのこ類などの具材をたっぷり入れていただくのもおすすめです。

 善玉菌の好物の食材がたくさんあると、善玉菌と悪玉菌のどちらを応援しようか様子を見ていた日和見菌が善玉菌の味方になり、腸内環境が整いやすくなります。

 一方、甘味類や動物性タンパク質を多く含む肉類などは悪玉菌を優勢にしてしまうので、食べ過ぎには注意してください。 もちろん、発酵食品や食物繊維だけを食べればよいというわけではありません。偏った食事を続けると悪玉菌を増やしてしまうので、主食、主菜、副菜、汁物を組み合わせたバランスのよい食事を心がけながら、発酵食品と食物繊維を多めに取り入れていきましょう。

 また、朝は少し早めに起きて朝食をゆっくり食べる余裕をもつようにすると、ぜん動運動のスイッチが入りやすくなり、便秘の改善にもつながります。「継続は力なり」です。毎日の食事を意識して、少しずつ腸内環境を変えていきましょう。

Q:便秘薬ののみ方で注意することは?

 市販薬には主に、大腸を刺激してぜん動運動を促すタイプと、便の水分や量を増やして便を軟らかくするタイプの2つがあります。便秘の患者さんの中にはスッキリ感を味わうために、用法・用量を超えて過剰に使用し、下痢をしてしまう人がいます。しかし、こうした便は良い腸内細菌も一緒に排出してしまうので、腸内環境を良好にするのには逆効果になることもあります。

 便秘改善の基本は食事と運動。薬は本来の排便リズムを取り戻すきっかけに使用し、常用するのは避けましょう。薬の効き目には個人差があるので、市販薬を選ぶ際は、薬局やドラッグストアで相談し、用法・用量を必ず守って使用してください。

 またダイエットティーなどとうたわれているお茶は体に優しいイメージがありますが、下剤と同じ作用がある物も。下痢や腹痛を伴う場合は、腸に負担がかかるので、のむのを控えましょう。

監修/馬場真木子先生ばば・まきこ)
医療法人社団桃仁日本橋レディースクリニック院長。杏林大学医学部卒業後、同大学医学部付属病院第一外科入局。松島病院大腸肛門病センター、松島ランドマーククリニック院長などを経て、現職。医学博士。日本大腸肛門病学会指導医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本外科学会専門医など。クリニックには食物繊維の豊富なメニューを提供する「フローラカフェ by NLC」を併設。