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親が血眼になって子の“楽器”探す…小川洋子の新作が想起させる出来事
作家の小川洋子さんが新作の長編『小箱』を上梓した。作品の舞台は元幼稚園で、その講堂にはびっしりとガラスの小箱が置かれている。それは「死んだ子どもの未来を保存するための箱」。語り手の「私」は元幼稚園に暮らし、番人のように小箱や、訪れる親たちを見守る。着想の背景には、若くして亡くなったわが子が死後の世界で結婚できるよう、結婚式の様子を描いてお寺に奉納する「ムカサリ絵馬」という東北の風習がある。死のにおいがする同作品は、多くの人にとって忘れることのできないあの出来事を想起させる。AERA 2019年11月18日号に掲載された記事を紹介する。



ポンと煙が出て人が消える… 失敗から生まれた映画の撮影技術の面白さ
撮影現場にて。周防正行監督(左)と議論をかわす脚本家の片島章三さん (c)2019「カツベン!」製作委員会 劇中の無声映画もすべて“新作”として撮り直している (c)2019「カツベン!」製作委員会 時代を感じさせる「アクション」もこの映画の味わいを深めている。映画で描き切れなかったストーリーを加えた小説版『カツベン!』。朝日文庫より、絶賛発売中! 映画『カツベン!』は12月13日全国ロードショー! (c)2019「カツベン!」製作委員会 無声映画の時代、「暗闇のスーパースター」と呼ばれた活動弁士<カツベン>たちの生き様を、周防正行監督が5年ぶりとなる新作映画「カツベン!」で描いている。

映画俳優よりも人気だった暗闇のスーパースターとは?
周防正行監督(右)と、脚本家の片島章三さん 物語の舞台となる映画館前で、館主役の竹中直人さんと俊太郎が出会う (c)2019「カツベン!」製作委員会 成田凌さんの堂々たる<カツベン>シーン。映画で描き切れなかったストーリーを加えた小説版『カツベン!』。朝日文庫より、絶賛発売中! 映画『カツベン!』は12月13日全国ロードショー! (c)2019「カツベン!」製作委員会 今からおよそ100年前、映画が活動写真と呼ばれ、まだ音がなかったサイレントの時代、大活躍していた活動弁士。登場人物の台詞に声をあて、物語を説明しながら独自のしゃべりで観客を沸かせる、まさに暗闇のスーパースター。その人気ぶりは、映画俳優をしのぐものだったそうだ。



