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「中国」に関する記事一覧

こんなにちがう中国各省気質
こんなにちがう中国各省気質 日本の尖閣諸島の国有化以降、悪化する日中関係。中国への印象が悪化した人もいるだろうが、果たして中国を「中国」と一括りにできるのかというのが本書の出発点。日本ですら県民性の違いは大きいが、中国の人口は日本の10倍以上、国土は26倍。50以上の民族が住む。  本書では中国の31の省や直轄市、自治区ごとにその土地に住む人びとの気質や歴史、名物料理などを歯切れの良い文体で紹介する。北京や上海など大都市に対する歯に衣着せぬ語り口も小気味いいが、興味深いのは日本人に馴染みのない地域への言及。田舎ならではの心温まる小話もあるが、辛口な指摘やブラックジョークがやはり満載だ。例えば広西チワン族自治区。「標準語は通じないがオートバイ普及率は全国1位」「美男子率、美女率は最低レベル?」。貴州省に至っては「国内でも存在をほとんど忘れられている」。  手厳しい指摘も少なくないが、大手メーカーで中国を飛び回った著者が見聞きした話が多いだけに説得力は十分。単なる悪口満載の中国本とは一線を画す。
中国レーダー照射事件 裏切った日本への怒り?
中国レーダー照射事件 裏切った日本への怒り? 1月30日、中国海軍のフリゲート艦が、海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対して、射撃管制用レーダーを照射した。2月10日、このレーダー照射事件をテーマにシンポジウムが行われた。そこでノンフィクション作家の石井好氏は、尖閣諸島問題で「中国は、日本政府に裏切られたと感じている」という。司会を務めたジャーナリストの田原総一朗氏が解説する。
田原総一朗氏「尖閣問題『中国の思うツボ』は避けるべし」
田原総一朗氏「尖閣問題『中国の思うツボ』は避けるべし」 2月5日、小野寺五典防衛相は、1月30日に東シナ海で警戒監視中だった海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対し、中国軍艦が射撃用の火器管制レーダーを照射したと発表した。こうした動きにジャーナリストの田原総一朗氏は、「習近平総書記も止められない中国軍の暴走だ」と警告している。

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紅の党 習近平体制誕生の内幕
紅の党 習近平体制誕生の内幕 最高指導部入りを有望視された稀代の野心家・薄熙来(ポーシーライ)。「都落ち」で赴任した重慶市ではマフィア撲滅キャンペーンを展開し、市司法局長を処刑にまで追い込んだが、自身も妻のイギリス人実業家殺害容疑により失脚。事件の背後には、党による統治がはらむ構造的ともいえる問題がある。  中国でのビジネス展開には、権限を握る党の中央・地方幹部とのコネが欠かせない。とくに改革開放以降は、党の高官とその家族が、国内外の企業・事業家と癒着し、賄賂など巨額の不正収入を得ていることがたびたび発覚。2008年までの10年余りの間に、不正の発覚を恐れて海外逃亡した政府・国有企業の幹部は16000人以上、流出資産は約10兆円にのぼるという。  「数千年来の伝統」とも言われるコネ人事の実態から習近平ファミリーの利権まで、記者たちは中国共産党の藪の中へと果敢に分け入っていく。薄氏の半生と、失脚後の党指導部の駆け引きを軸とした丹念な取材から、中国共産党の統治の現在形が浮かび上がる力作ノンフィクション。

特集special feature

    中国人民解放軍の内幕
    中国人民解放軍の内幕 中国問題のジャーナリストによる中国人民解放軍(解放軍)の解説書である。尖閣諸島領有をめぐる日中の緊張関係は、戦争への懸念をもたらしている。なれば関心が向かうのは解放軍だが、実態がわからず単純な見方で捉えられがちだ。  本書は解放軍への複眼的視角を培うことを狙いとし、解放軍の意思決定メカニズム、個別部隊の役割など具体的なシステムを子細に解説してゆく。たとえば組織内の実質的権限を握るのは陸軍・総参謀部である。心臓部の総参一部は有事の際には各司令部へ命令を下す。単なる上意下達式のようだが、組織内に「絶密」級とされる独自の研究機関が存在し、総参謀部を情報分析面で援助しているのだ。  解放軍はその秘密主義ゆえに不安を煽りやすい。しかしマスコミには接触を拒んでも、ビジネスマンには懐が緩み、特別待遇を施すこともある。著者が述べるように「真に警戒が必要な中国もあれば、そうでない中国もある」側面を知ることで不安は和らぎ、隣国への冷静な見方が養われるだろう。

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