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「中国」に関する記事一覧

中国絶望工場の若者たち
中国絶望工場の若者たち 昨年、中国で吹き荒れた反日デモ。主体となったのが「第二代農民工」と呼ばれる人びとだ。都市への出稼ぎ農民の子供たち世代であり、彼ら自身も多くが農村戸籍でありながら都市部の工場などで働く。本書ではインタビューを通じて中国の急速な経済成長が抱える矛盾を体現する彼らの実像を浮き彫りにしている。  「第二代農民工」に共通するのは、親世代ほどどん欲でない点だ。残業などを控え、貯金もほどほどに、カラオケや服、スマートフォンなどに享楽的に消費する。工場での給与も決して安くはなく、昇給もある。経済的豊かさを享受している実感はあるが仕事に邁進はしない。  背景にあるのは、中国の都市部には我々日本人には見えにくい身分社会が未だに存在することだ。彼らは戸籍管理が厳しい都市では農民工であり、手厚い福祉を受けられる都市民にはなれない。都市では「半透明」な存在であり、がむしゃらに働き続けても、将来に希望を抱くことが許されない。彼らが享楽的に振る舞えば振る舞うほど、中国が抱える闇の深さが見えてくる。
こんなにちがう中国各省気質
こんなにちがう中国各省気質 日本の尖閣諸島の国有化以降、悪化する日中関係。中国への印象が悪化した人もいるだろうが、果たして中国を「中国」と一括りにできるのかというのが本書の出発点。日本ですら県民性の違いは大きいが、中国の人口は日本の10倍以上、国土は26倍。50以上の民族が住む。  本書では中国の31の省や直轄市、自治区ごとにその土地に住む人びとの気質や歴史、名物料理などを歯切れの良い文体で紹介する。北京や上海など大都市に対する歯に衣着せぬ語り口も小気味いいが、興味深いのは日本人に馴染みのない地域への言及。田舎ならではの心温まる小話もあるが、辛口な指摘やブラックジョークがやはり満載だ。例えば広西チワン族自治区。「標準語は通じないがオートバイ普及率は全国1位」「美男子率、美女率は最低レベル?」。貴州省に至っては「国内でも存在をほとんど忘れられている」。  手厳しい指摘も少なくないが、大手メーカーで中国を飛び回った著者が見聞きした話が多いだけに説得力は十分。単なる悪口満載の中国本とは一線を画す。

この人と一緒に考える

中国レーダー照射事件 裏切った日本への怒り?
中国レーダー照射事件 裏切った日本への怒り? 1月30日、中国海軍のフリゲート艦が、海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対して、射撃管制用レーダーを照射した。2月10日、このレーダー照射事件をテーマにシンポジウムが行われた。そこでノンフィクション作家の石井好氏は、尖閣諸島問題で「中国は、日本政府に裏切られたと感じている」という。司会を務めたジャーナリストの田原総一朗氏が解説する。
田原総一朗氏「尖閣問題『中国の思うツボ』は避けるべし」
田原総一朗氏「尖閣問題『中国の思うツボ』は避けるべし」 2月5日、小野寺五典防衛相は、1月30日に東シナ海で警戒監視中だった海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対し、中国軍艦が射撃用の火器管制レーダーを照射したと発表した。こうした動きにジャーナリストの田原総一朗氏は、「習近平総書記も止められない中国軍の暴走だ」と警告している。

特集special feature

    紅の党 習近平体制誕生の内幕
    紅の党 習近平体制誕生の内幕 最高指導部入りを有望視された稀代の野心家・薄熙来(ポーシーライ)。「都落ち」で赴任した重慶市ではマフィア撲滅キャンペーンを展開し、市司法局長を処刑にまで追い込んだが、自身も妻のイギリス人実業家殺害容疑により失脚。事件の背後には、党による統治がはらむ構造的ともいえる問題がある。  中国でのビジネス展開には、権限を握る党の中央・地方幹部とのコネが欠かせない。とくに改革開放以降は、党の高官とその家族が、国内外の企業・事業家と癒着し、賄賂など巨額の不正収入を得ていることがたびたび発覚。2008年までの10年余りの間に、不正の発覚を恐れて海外逃亡した政府・国有企業の幹部は16000人以上、流出資産は約10兆円にのぼるという。  「数千年来の伝統」とも言われるコネ人事の実態から習近平ファミリーの利権まで、記者たちは中国共産党の藪の中へと果敢に分け入っていく。薄氏の半生と、失脚後の党指導部の駆け引きを軸とした丹念な取材から、中国共産党の統治の現在形が浮かび上がる力作ノンフィクション。

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