受験生が「浪人してでも入りたい」大学は? 現役生比率が低い国立大トップ10
『大学ランキング』(朝日新聞出版)では毎年、入学者に占める現役合格者の割合を、大学ごとに調査している。現役生比率が低い大学は、浪人生を中心とした既卒生が多い大学、ということができる。 既卒生には、(1)受験生が第一志望にこだわり浪人してでも勉強して入りたいと思った、(2)他大学に通っていたが自分のやりたい道を見つけたり、適性が合わなかったりして進路変更した、(3)社会人が新しい道に進むため、あるいはキャリアアップのために入り直した、などの背景があるだろう。受験生の現役志向が強まるなかで、現役生の比率が低い大学はどこなのか。「浪人してでも入りたい」「既卒生でも入りたい」大学を、データから読み解いた。 * * * マイナス1万9369人。今年の「大学入学共通テスト」に挑んだ浪人生の数を、昨年と比較した結果だ。大学入試センター試験は今年、入試改革によって共通テストに代わった。昨年、最後のセンター試験を受けた受験生が新形式の試験問題に挑むことを避けたため、浪人生の数は大幅に減った。今年共通テストを受験した浪人生は、昨年センター試験を受けた浪人生と比べ19.3%減。共通テストは、受験者の84%が現役生となった。 浪人生が減っているのは入試改革の影響だけではないようだ。代々木ゼミナール教育総合研究所主幹研究員の奥村直生さんは「高校生のあいだに、“浪人はありえない”という風潮ができている」と話す。 「1990年代初頭は18歳人口が大学の定員を大きく超え、需要と供給のバランスが成り立っておらず、現役受験生のおよそ半分は大学に入れませんでした。しかし今は、選ばなければ現役で大学に入れるという状況になっており、時間をかけて再受験することの価値を見いだしにくくなっています。総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)を利用した早期合格が増えてきたことも理由の一つでしょう」 そうした風潮にもかかわらず、いまでも既卒生が多い大学はどこなのか。まずは国立大の現役生比率が低い大学トップ10を見てみよう(表は『大学ランキング2022』から、2020年入学者のデータ)。
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