稽古が始まっても台本はない 劇作家・上田誠「みんなで作ると一人では思いつかないことが出てくる」 劇作家・演出家/ヨーロッパ企画、上田誠。劇団「ヨーロッパ企画」は、今年25周年を迎える。大学在学中に上田誠と仲間2人で旗揚げしたが、初期のメンバーはほぼ変わらない。小さなころからさびしがりの上田は、友達といつも一緒にいたかった。面白いものを作れば、友達が集まると気づく。上田の書く脚本は、劇団員の個性が生かされる群像劇。理系で論理的な思考で生み出されるコメディー劇の求心力は、高まる一方だ。 現代の肖像 10/6
「らんまん」の脚本家・長田育恵 「登場人物の目に乗り移りながら書いていく」 劇作家・脚本家、長田育恵。朝ドラ「らんまん」の執筆中、長田が特に考え抜いたのは登場人物の言葉だったという。「作家として書きたいだけなのか、本当にその人物に必要な言葉なのか」。そこには、劇作家・井上ひさしから研修生最後の日に受けた助言があった。スポットを当てる人物たちは決して派手ではないが、その等身大の生きざまには、いつも希望がある。 現代の肖像 9/29
吉井妙子 笑いの力で若者と政治をつなぐ 笑下村塾代表・たかまつなな 笑下村塾代表、たかまつなな。大学生のときに芸人としてデビュー、NHKの職員になった後に、時事YouTubeになり、今は「笑下村塾」の代表も。肩書はたくさんあるが、一貫してたかまつななは「若者と政治をつなげたい」「日本を良くしたい」という思いで動いてきた。その一つが、「主権者教育」の出前授業。あなたには社会を変える力があるのだと、笑いと共に子どもたちへ熱い思いを届ける。 現代の肖像 9/22
ラグビーで磨いたキャプテンシーで社会課題に取り組む HiRAKU代表取締役・廣瀬俊朗 ラグビーW杯フランス大会が開幕した。ラグビーの隆盛を支えてきた一人が、HiRAKU代表取締役で元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗だ。2016年に引退。その後、MBAを取得し、自らの会社「HiRAKU」を立ち上げ、精力的に活動をしてきた。お金ではない。社会のため、誰かのために何かできないかを、常に考えている。廣瀬のキャプテンシーは今でも健在だ。 現代の肖像 9/15
矢部万紀子 「ジジイども、見たか」発 落語愛への一本道 落語家・桂二葉 落語家、桂二葉は女性の帯の締め方で、高座に上がる。女性なら当たり前のようだが、落語界では少数派だ。2021年、「NHK新人落語大賞」で大賞を受賞、一挙にブレイクしたのは、50年超の歴史で初めての女性だったから。その上、記者会見で口にしたのが、「ジジイども、見たか」だったから。そんな二葉の熱き落語愛、どうぞお見知り置きのほどを。 現代の肖像 9/8
子どもの頃からの選挙番組好き・雑誌好きが高じて時事芸人へ お笑いタレント・コラムニスト・プチ鹿島 お笑いタレントでコラムニストでもある時事芸人、プチ鹿島。毎朝、新聞15紙に目を通す。どこがどう報じているか、新聞の読み比べは、面白いからもう何十年と続いている。父が買ってくる週刊誌を読むのが好きだった。プロレスも選挙報道も好き。芸人として、子どものころからの蓄積が武器になった。今は選挙が面白い。選挙の現場で「やじ馬」の目を持ちつつ、芸人として突っ込む。それが新しい視点をもたらしている。 現代の肖像 9/1
設立まもないベンチャーが宇宙ビジネスで「JAXA」案件を獲得した理由とは Space BD代表取締役社長・永崎将利 Space BD代表取締役社長・永崎将利。前職は三井物産。安定はしていたが、何かを成し遂げたいと退職。何にチャレンジするか迷う中で、宇宙ビジネスと出合う。まったくの門外漢だったが、宇宙におけるあらゆるビジネスを取り扱う“宇宙商社”の事業にのめりこんでいった。持ち前のパワフルさで、これまで会社を引っ張ってきた。まだまだこれから。大きな夢を抱えて、宇宙へと飛び出していく。 現代の肖像 8/25
小長光哲郎 稲盛和夫の熱気にカメラマンは圧倒された「これは動けない!」 京セラとKDDIを立ち上げ、日本航空(JAL)の経営再建にも尽力した稲盛和夫さんが90歳で亡くなって、8月24日で1年になる。 稲盛和夫盛和塾現代の肖像 8/24
怪獣好きがゴジラのテーマをきっかけにクラシック愛好家に 音楽評論家・慶應義塾大学法学部教授・片山杜秀 評論家・慶應義塾大学法学部教授、片山杜秀。博覧強記とはこの人のことだ。音楽、政治、文学、映画、演劇、古典芸能、美術、サブカル、何でもござれのストーリーテラー。大学院時代、音楽雑誌で執筆業を始め、人気ライターに。やがて政治思想史の研究業績も注目され、母校に呼び戻された。持論は「偉人伝より失敗話のほうが世の役に立つ」。「持たざる国」日本は歴史から何を教訓としたらいいのだろう。教えを乞う。 現代の肖像 8/18
カルトから人を救うという闘い 弁護士・紀藤正樹 弁護士、紀藤正樹。30年以上前から、霊感商法やカルト集団の被害者救済に奔走してきた第一人者だ。「人権を侵害する制度があるなら、それは法が変わるべき」と紀藤は言う。善悪がゼロか百かではない複雑な問題に向き合い続ける人権弁護士は、どんな人物なのか。 現代の肖像 8/4
頭蓋骨から生前の顔を復元する復顔師 戸坂明日香 戸坂明日香は、頭蓋骨に粘土で肉付けをして、生前の顔を復元する専門家である。どんな骨にも、その人物の生活の痕跡が残っているのだと言う。どんな人物かを想像することで、よりリアルに生前の姿に近づける。同級生の死をきっかけに、生死についてずっと考えてきた。脈々と続く命の連なりを、復顔を通して戸坂は感じている。 現代の肖像 7/28
物語はバブル前夜、8坪の焼鳥店から始まった 「丸亀製麺」の創業者・粟田貴也 トリドールホールディングス代表取締役社長兼CEO、粟田貴也。丸亀製麺をはじめ、ハワイアンカフェや焼鳥店など、1770店舗もの飲食店を経営するトリドールホールディングス。今では海外にも店舗を拡大するが、原点は粟田貴也が兵庫・加古川で開いた1軒の焼鳥店。自ら焼鳥を焼き、客にふるまった。そこから38年、いつも大きな夢を語ってきた。顧客に感動してもらいたい。従業員を喜ばせたい。今も大きな夢は消えない。 現代の肖像 7/14
中村千晶 ryuchellさん「自分らしさを隠していた経験があるから悩みに寄り添える」 生前語っていた思い タレントのryuchellさん(27)が7月12日、亡くなったことが判明しました。AERA 2022年9月5日号の現代の肖像では「自分らしさを隠していた経験があるからこそ、同じような悩みを持っている人に寄り添える」と語っていたryuchellさん。現代の肖像の全文を掲載します。(年齢などは当時)。 ryuchell現代の肖像 7/12
千葉望 美しい自然で育んだ感性で音を作る「共感覚」の持ち主 指揮者・沖澤のどか 指揮者・沖澤のどか。2019年にブザンソン国際指揮者コンクールで第1位となり、沖澤のどかは今、世界的にも注目される指揮者の一人だ。今年4月からは京都市交響楽団の常任指揮者にも就任。忙しい日々だが、常に大事にしているのは自然と家族との時間だ。青森で生まれ、美しい自然の中で育った。体に自然の景色や音がしみ込んでいる。四季の美しさが、沖澤の作る音に溶け出す。 現代の肖像 7/7
中村千晶 ドラマ「エルピス」で話題の俳優・岡部たかしが50歳でブレークした理由 俳優、岡部たかし。ドラマ「エルピス」のセクハラ暴言プロデューサー・村井役で、岡部たかしの名前は一気に全国に広がった。岡部自身も売れることをあきらめていた矢先の大ブレーク。だが、その演技力は高く評価されていた。俳優仲間の岩谷健司は「あれは運命的なものだった」と言う。岡部が引っ張り上げられるまで、どんな道を歩んできたのだろうか。 現代の肖像 6/30
「美しい」デザインで社会問題を提起し、解決を目指す デザイナー・社会活動家・幾田桃子 デザイナー・社会活動家、幾田桃子。ファストファッションが世界中を席巻していたとき、廃材をアップサイクルして「消耗されない美しい子ども服」をつくった。国連サミットでSDGsが採択されるよりも前から、「セールをしない」「ゴミを増やさない」「職人を守る」を貫いてきた。デザインには、人と社会を美しく変えるちからがある。職人が丁寧に仕立てた美しい服に、幾田桃子は社会へのメッセージを託す。 現代の肖像 6/23
「子どもたちに大きな不自由を強いている状況を見過ごせなかった」 UDデジタル教科書体を開発した書体デザイナー・高田裕美 書体デザイナー、高田裕美。明朝体、ゴシック体、教科書体。格調高いものからカワイイものまで、社会には無数の書体が溢れている。だが、書体によって文字の「読みやすさ」が大きく変わり、学習に不自由を強いられている子どもたちもいる。実情を知った高田裕美は、「文字のユニバーサルデザイン」に奮闘する。目指したのは、誰一人取り残さない書体の開発だ。 現代の肖像 6/16
路上生活者や被災者と目線を合わせて祈り続ける 光照院・住職・吉水岳彦 光照院・住職、吉水岳彦。葬式仏教と言われ、信仰が生活から遠のいた現在、宗教家に期待する人はどのくらいいるのだろう。その中で、朝晩の勤行を欠かさず、酒も煙草も妻帯もせず、路上生活者や被災者と目線を合わせて祈り続ける僧侶が吉水岳彦だ。東京都台東区のドヤ街山谷にある光照院の住職。阿弥陀様を心に持つ幸せを伝える役目にまっすぐに向き合う。 現代の肖像 6/9