BOOKSTAND

今の日本、働く女だけがお金も恋愛も自由も手に入れられる......!?
今の日本、働く女だけがお金も恋愛も自由も手に入れられる......!?
2016年のある調査では、若い女性のうち10人に3人が「将来なりたい」と答えたという"専業主婦"。「あこがれる」「つまらなそう」と人によってイメージはさまざまかと思いますが、「専業主婦は2億円をドブに捨てているようなもの」であり「専業主婦にはなにひとついいことがない」という主張をしているのが本書『専業主婦は2億円損をする』です。  なぜ2億円も損をするのかというと、筆者の橘 玲さんによるとこれはとても単純な話。大学を出た女性が60歳まで働いたとして、平均的な収入の合計は2億1800万円だからだそう(退職金は含まず)。結婚や出産で退職して専業主婦になった人は、40年かけて2億円になる「お金持ちチケット」を捨ててしまうことになるのだと橘さんは説明しています。  金銭的な話だけではなく、精神的な部分でも橘さんは専業主婦になることを薦めてはいません。プロローグでは「専業主婦は自由がない」「専業主婦は自己実現できない」「専業主婦の子育ては報われない」「専業主婦は最貧困のリスクが高い」「専業主婦になりたい女子は賢い男子に選ばれない」などデメリットが並びます。なかなか過激な物言いであり、これはともすれば炎上しかねなそう......。  けれど、本書を読み進めて行けば、筆者の考えに賛同できる人も多いことでしょう。筆者は海外との比較や調査データなども出しながら、たいへん具体的になぜ専業主婦にはなにひとついいことがないのかが述べられています。  たとえば、先進国の中では8割の女性がずっと働き続けるものの、日本だけが出産・育児を機とする25歳から30代にかけて就業率が落ち、そうして子どもに手がかからなくなった40代からまた上昇を始めるのだそう。今では大企業では女性社員が産後も働き続けられる制度を用意していますが、それは「マミートラック」と呼ばれ、第一線で働く社員とはちがう「ママ向け」仕事である場合も。また、いったん子育てに専念し再度働く場合は正社員ではなくパートやアルバイトとして働く女性も多いものです。  日本では子どもを産んだとたんに女性を取り巻く環境が大きく変わり、一見男女平等に見えても「女性が子どもを産むと"差別を実感する社会"」であることは、多くの女性が感じていることではないでしょうか。  さらに、筆者は専業主婦として夫に生活のすべてを依存している点にも疑問を投げかけます。「幸福とは自由(自己決定権)のことであり、そのためには経済的に独立していなければならない」「ほんとうの愛情や信頼は対等な関係からしか生まれない」という考え方もまた、男女問わず、独身既婚問わず、うなずけるところなのではないでしょうか。  とはいえ、現在の日本の社会で女性が産後も働き続けるというのは本当に大変なことです。「現在の非婚化や少子化というのは、日本の社会が『結婚して子どもを産んでもロクなことがない』という強烈なメッセージを、若い女性に送っているということ」と筆者は書いていますが、まさにその通りでしょう。ずっとシングル、あるいは好きな男性と一緒に暮らすけど結婚はしないという「ソロリッチ」が日本の社会で幸福になる有力な人生戦略であることは間違いないとはいえそうです。  けれど、そこにたったひとつ足りないものがあります。それは「子ども」。「やっぱり子どもも欲しいし働き続けたい」と思うなら、それには別の新たな戦略が必要となってきます。  筆者は本書でいくつかの戦略を紹介していますが、もっとも強く薦めているのが「会社で働かなくていいという戦略(フリーエージェント戦略)」です。フリーエージェントとは「好きなこと」に人的資源のすべてを投資するクリエイティブな「ソロリッチ」であり、ソロリッチ同士がカップルになって「ニューリッチ」となることがこれからのカッコいいライフスタイルなのだと提案しています。アメリカではニューリッチのライフスタイルは「BOBOS(ボボズ。ブルジョアとボヘミアンを組み合わせた造語)」と呼ばれ、"リベラルでカジュアルなお金持ち"といった意味合いでとらえられているのだとか。  フリーエージェントとなり年収800万円ずつ稼ぎ、夫婦で世帯収入1500万円を目指すニューリッチとなる。たしかにこれは今の日本で理想のライフスタイルであるに違いありません。本書は今の閉塞的な社会から抜け出るためのライフスタイルや働き方を提案し、女性が自由を手にするための一冊になっているといえるかもしれません。
BOOKSTAND 5/22
いつか誰かと居たことを懐かしむ前に、差し込む光のように
いつか誰かと居たことを懐かしむ前に、差し込む光のように
かつて新人類と呼ばれた世代に「少年A」よりもずっと前に幼女を数人殺害し、「おたく」という言葉に対してネガティブな印象を日本中にもたらした宮崎勤がいた。彼は数千本のビデオテープの孤独な籠城だけが拠り所だった。ある人が彼と同じ姓である宮崎駿の作品を観ていたら、宮崎勤はきっとあんな犯罪を犯さなかっただろうと言ったらしいが、その数千本のビデオテープの中でラベルに唯一「さん」づけされていたのがその監督だと昔何かで読んだことがある。宮崎勤だけではなく、「少年A」と同学年である九州バスジャックや秋葉原通り魔事件に、PC遠隔操作事件の犯人であるかつての少年たちは書きかけの小説やなんらかの表現をしていたと言われている。だが、それらは未完成だったりしたし何よりも他者には届かなかった。彼らが表現しようとしたものは一体なんだったのか? 何を見ようとしていたのか?
BOOKSTAND 5/18
ファンから薦められた『本屋さんのダイアナ』は、本がたくさん読みたくなる一冊------アノヒトの読書遍歴:広瀬彩海さん(後編)
ファンから薦められた『本屋さんのダイアナ』は、本がたくさん読みたくなる一冊------アノヒトの読書遍歴:広瀬彩海さん(後編)
「こぶしファクトリー」リーダーの広瀬彩海さん。2011年、12歳のときにNICE GIRL プロジェクト!研修生としてアイドル活動をはじめ、2015年からは結成と同時に「こぶしファクトリー」のメンバーとして活動しています。広瀬さんは音楽活動をする傍ら、普段からかなり本を読むといい、多いときは月に40〜50冊も読むそうです。そんな広瀬さんに、前回に引き続いて日頃の読書生活についてお話を伺いました。
BOOKSTAND 5/16
多いときには月に50冊くらい本を読む------アノヒトの読書遍歴:広瀬彩海さん(前編)
多いときには月に50冊くらい本を読む------アノヒトの読書遍歴:広瀬彩海さん(前編)
ハロー!プロジェクトの5人組アイドルグループ「こぶしファクトリー」のリーダー広瀬彩海さん。2011年、12歳のときにNICE GIRL プロジェクト!研修生としてアイドル活動をはじめました。2015年1月、現在所属している「こぶしファクトリー」の結成が発表されメンバーに加わり、同年3月にリーダーに就任。現在は音楽ライブやイベントなどを中心に活動を展開し、今年3月にはニューシングル『これからだ!/明日テンキになあれ』をリリースしました。そんな広瀬さんは普段から多く本を読むといい、今回は広瀬さんの日頃の読書生活についてお話を伺いました。
BOOKSTAND 5/15
トランプ大統領、激怒!? 1年半にわたる取材をもとに書かれた全米騒然の暴露本
トランプ大統領、激怒!? 1年半にわたる取材をもとに書かれた全米騒然の暴露本
2017年1月20日、第45代アメリカ合衆国大統領に就任したドナルド・トランプ氏。歴代大統領の中で政治や軍人の経験がない人物は史上初であり、その過激な言動の数々はこれまでさんざんメディアに取り上げられ話題を呼んできました。最近では初の米朝首脳会談実現か、という点でも注目されています。
BOOKSTAND 5/10
あなたは「何キャリ」? イマドキの働く女性「キャリジョ」を徹底分析!
あなたは「何キャリ」? イマドキの働く女性「キャリジョ」を徹底分析!
働く女性をさす言葉として一般的であった「OL(オフィス・レディ)」。けれど今の時代、自分自身がそのイメージに当てはまらないと感じる女性も多いようです。なぜならOLという言葉には、結婚して退社するまでの「腰掛け」的に仕事をしているというイメージが強く、今では結婚をしても女性が働くことは当たり前のことになってきたから。
BOOKSTAND 5/9
朝5時から長蛇の列...! 美味しすぎる台湾の人気朝ごはんスポットとそのレシピ
朝5時から長蛇の列...! 美味しすぎる台湾の人気朝ごはんスポットとそのレシピ
台湾に旅行する人の楽しみのひとつといえば朝食ではないでしょうか。家で作らず外で朝ごはんを食べる・買うというのは台湾ならではのカルチャー。街には多くの朝ごはん屋さんが並び、早朝から活気ある光景が繰り広げられています。
BOOKSTAND 5/2
元GUCCI店員が明かす、「一流の男の身だしなみ」とは
元GUCCI店員が明かす、「一流の男の身だしなみ」とは
男性の皆さんの中には「粋な男性になりたい」と思っている人は多いことと思います。女性であればパートナーや父親などに対し、そうなってほしいという憧れを抱くことがあるのでは?
BOOKSTAND 5/1
WEB漫画ヒットの秘密と出版不況の内実を赤裸々に暴露!?
WEB漫画ヒットの秘密と出版不況の内実を赤裸々に暴露!?
「30代以上の人にとって『週刊少年ジャンプをいち早く読む』ことがひとつのステイタスだった時代があったのではないだろうか」という書き出しから始まる本書『少年ジャンプが1000円になる日~出版不況とWeb漫画の台頭~』。少年ではなく少女だった私は『週刊少年ジャンプ』は読んでいませんでしたが、その感覚はとてもよくわかります。小学生のころの私は毎月『りぼん』や『なかよし』の発売日ともなると、ランドセルを家に置く間も惜しいほど急いで最新号を買いに行き、連載漫画の続きを読むのが何よりの楽しみだったから。
BOOKSTAND 4/25
『安楽死を遂げるまで』にはいずれ誰もが直面する問題が描かれている------アノヒトの読書遍歴:舛添要一さん(後編)
『安楽死を遂げるまで』にはいずれ誰もが直面する問題が描かれている------アノヒトの読書遍歴:舛添要一さん(後編)
元東京都知事の舛添要一さん。政治・経済などの分野で活躍する一方で、知事退任後の2017年6月に『都知事失格』(小学館)を出版しました。実は、これまでに単著だけで50冊以上もの本を上梓してきました。また、大の本好きという舛添さん、今は一日一冊は本を読むそうで、そんな舛添さんに前回に引き続いて日頃の読書の生活についてお伺いしました。
BOOKSTAND 4/23
『都知事失格』は、知事を経験した人が知る正しい情報を伝える一冊------アノヒトの読書遍歴:舛添要一さん(前編)
『都知事失格』は、知事を経験した人が知る正しい情報を伝える一冊------アノヒトの読書遍歴:舛添要一さん(前編)
元東京都知事として知られる舛添要一さん。政治・経済などの分野で活躍を続け、マスコミなどで論評活動を繰り広げてきました。かつて北九州市に住む母親を、5年もの間、遠距離介護した経験から、1998年に『母に襁褓をあてるとき』(中央公論社)を上梓し、介護保険導入にあわせて世間に介護の在り方を訴えました。ほかにも数多く執筆しており、単著だけでその数は50冊以上にも上ります。知事退任後の2017年6月には『都知事失格』(小学館)を出版した舛添さん。普段から多く本を読むといい、今回は日頃の読書生活についてお話を伺いました。
BOOKSTAND 4/21
女性が心と体の栄養補給をしたくなったら「〇〇風俗」がよいらしい...!?
女性が心と体の栄養補給をしたくなったら「〇〇風俗」がよいらしい...!?
人間、生きていればいろいろあります。出口が見えなくなったり、心身ともに疲れ果ててしまったり、ただ誰かのぬくもりが欲しくなったり......。
BOOKSTAND 4/18
この話題を考える
学校現場の大問題

学校現場の大問題

クレーム対応や夜間見回りなど、雑務で疲弊する先生たち。休職や早期退職も増え、現場は常に綱渡り状態です。一方、PTAは過渡期にあり、従来型の活動を行う”保守派”と改革を推進する”改革派”がぶつかることもあるようです。現場での新たな取り組みを取材しました。AERAとAERA dot.の合同企画。AERAでは9月24日発売号(9月30日号)で特集します。

学校の大問題
働く価値観格差

働く価値観格差

職場にはびこる世代間ギャップ。上司世代からすると、なんでもハラスメントになる時代、若手は職場の飲み会なんていやだろうし……と、若者と距離を取りがちですが、実は若手たちは「もっと上司や先輩とコミュニケーションを取りたい」と思っている(!) AERA9月23日号では、コミュニケーション不足が招く誤解の実態と、世代間ギャップを解消するための職場の工夫を取材。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉に対する世代間の感じ方の違いも取り上げています。

職場の価値観格差
ロシアから見える世界

ロシアから見える世界

プーチン大統領の出現は世界の様相を一変させた。 ウクライナ侵攻、子どもの拉致と洗脳、核攻撃による脅し…世界の常識を覆し、蛮行を働くロシアの背景には何があるのか。 ロシア国民、ロシア社会はなぜそれを許しているのか。その驚きの内情を解き明かす。

ロシアから見える世界
インターネットの予言的私小説!?『僕らのネクロマンシー』発売記念対談! 著書・スマートニュース 佐々木大輔×情報学研究者ドミニク・チェン
インターネットの予言的私小説!?『僕らのネクロマンシー』発売記念対談! 著書・スマートニュース 佐々木大輔×情報学研究者ドミニク・チェン
インターネットがなくてはならない現代。インターネットに関わる本ももちろん溢れるように存在している昨今ですが、本書『僕らのネクロマンシー』(NUMABOOKS)はインターネットを題材とした小説単行本です。
BOOKSTAND 4/16
日本の保育は社会主義? 「待機児童ゼロ」を実現できないワケ
日本の保育は社会主義? 「待機児童ゼロ」を実現できないワケ
「保育園落ちた日本死ね」という言葉に象徴されるように、昨今の日本では、待機児童の問題が深刻さを帯びています。国や自治体が策を講じてはいますが、なかなか効果を上げられていません。一体なぜなのでしょうか?
BOOKSTAND 4/13
新しきサウンドトラック≒カテドラル、そしてむかしむかし、ミライミライへ。
新しきサウンドトラック≒カテドラル、そしてむかしむかし、ミライミライへ。
小説は紙やディスプレイ(ページ)に印字≒表示された文字を読むものだから、視覚で認識する芸術だと言える。それを声に出して読んでみると聴覚で認識されるものになる。言葉は読まれるし、声に出されることでわたしたちの中に入ってくる。
BOOKSTAND 4/11
【本屋大賞2018】辻村深月さん『かがみの孤城』に決定!
【本屋大賞2018】辻村深月さん『かがみの孤城』に決定!
4月10日、東京・明治記念館で、全国の書店員が選ぶ「本屋大賞2018」の発表会が開催され、小説家の辻村深月さんの『かがみの孤城』(ポプラ社)が大賞に輝きました。辻村さんの作品は過去に3度候補作品に選ばれ、今回初の大賞の授賞となりました。
BOOKSTAND 4/10
【「本屋大賞2018」候補作紹介】『星の子』――「信じる」の意味を見つめなおす物語
【「本屋大賞2018」候補作紹介】『星の子』――「信じる」の意味を見つめなおす物語
BOOKSTANDがお届けする「本屋大賞2018」ノミネート全10作の紹介。今回、取り上げるのは今村夏子著『星の子』です。
BOOKSTAND 4/9
【「本屋大賞2018」候補作紹介】『百貨の魔法』――従業員たちが老舗百貨店の大切な思い出を守る魔法のような物語
【「本屋大賞2018」候補作紹介】『百貨の魔法』――従業員たちが老舗百貨店の大切な思い出を守る魔法のような物語
BOOKSTANDがお届けする「本屋大賞2018」ノミネート全10作の紹介。今回、取り上げるのは村山早紀著『百貨の魔法』です。
BOOKSTAND 4/6
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雅子さま
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「教員免許ない」人材も育成して現場へ 研修は20代~60代まで、動機も経歴もさまざま
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学校の大問題
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プロ志望届提出の清原正吾は西武、ソフトバンクが合う? 巨人が指名の可能性は
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清原正吾
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〈あのときの話題を「再生」〉サラリーマン家庭で医学部に息子2人進学 親子で目指した合格 父「決意を確かめる意味で違う道も提案」
〈あのときの話題を「再生」〉サラリーマン家庭で医学部に息子2人進学 親子で目指した合格 父「決意を確かめる意味で違う道も提案」
医学部に入る2024
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ビジネス
〈先週に読まれた記事ピックアップ〉「稼ぎたかったんですよ。家が貧乏だったから」 ポーラ社長及川美紀さんが語る原点と働く幸せとは?
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