

大友博
プロフィール
大友博(おおともひろし)1953年東京都生まれ。早大卒。音楽ライター。会社員、雑誌編集者をへて84年からフリー。米英のロック、ブルース音楽を中心に執筆。並行して洋楽関連番組の構成も担当。ニール・ヤングには『グリーンデイル』映画版完成後、LAでインタビューしている。著書に、『エリック・クラプトン』(光文社新書)、『この50枚から始めるロック入門』(西田浩ほかとの共編著、中公新書ラクレ)など。dot.内の「Music Street」で現在「ディラン名盤20選」を連載中
大友博の記事一覧



第13回 CSNY / 4 WAY STREET
1971年春、2枚組作品として発表された『4ウェイ・ストリート』は、CSNY初のライヴ・レコーディング・アルバムだ。『デジャ・ヴ』発表後に行なわれた全米ツアーのドキュメンタリーとも呼べるものであり、クレジットによれば、70の年6月2日から7月5日にかけて、ニューヨークのフィルモア・イースト、シカゴ・オーディトリアム、ロサンゼルス・フォーラムで録音された音源が収められている。プロデューサーはCSNYの4人。リズム隊は、『デジャ・ヴ』に貢献したダラス・テイラーとグレッグ・リーヴスから、元タートルズのジョニー・バルバータとスティルスのソロ作にも参加していたカルヴィン・サミュエルズに替わっている。


第11回 NEIL YOUNG & CRAZY HORSE / LIVE AT THE FILLMORE EAST 1970
少し時間的な流れを整理しておこう。クレイジー・ホースと名乗ることになる3人のミュージシャンとの運命的な出会いをへて、1969年5月に『エヴリバディ・ノウズ・ディス・イズ・ノーホエア』を発表したニールは、その直後、CSNと合流。ウッドストックへの出演などをはさんで、しばらくアルバム制作に専念することとなる。並行してソロ3作目の制作も行なわれていたわけだが、その間に彼は、クレイジー・ホースのギタリスト、ダニー・ホイットゥンの深刻なドラッグ依存という問題も抱えることとなったのだった。



第8回 NEIL YOUNG / LIVE AT THE RIVERBOAT 1969
ザ・リヴァーボート。正確には、ザ・リヴァーボート・コーヒーハウス。トロントのグリニッジヴィレッジとも呼ばれたヨークヴィル地区にあったキャパ120人ほどのクラブだ。1964年にオープンしたこの店は、わずか数年で北米大陸フォーク・シーンのメッカのひとつなった。ゴードン・ライトフット、ジョニ・ミッチェル、ブルース・コバーンといったカナダ人アーティストだけでなく、ジェイムス・テイラーやアーロ・ガスリーもここで歌った。ステージにこそ立たなかったが、ディランやクラプトンも客として訪れたという。ニール・ヤングも一時期ここで腕を磨いていた(後年、「アンビュランス・ブルース」でリヴァーボートを歌っている)。ジョニ・ミッチェルと知りあったのも、そのころだったらしい。

